1年後の自分への手紙

どんないきさつで始めたか覚えていないが、誕生日に未来の自分へ向けて手紙を書くことを12歳の誕生日から始めた。

小学校6年の時のそれには、「みんなに追いつけてよかったです」と書かれていた。
早生まれだった私は、いつもみんなより遅れて誕生日が来るのが待ち遠しかったようだ。
歳を重ねた今となっては、そうでもないのだが…

手紙の内容も、歳を経るにつれて段々と大人びたものになっていった。
最後の手紙は、離職をした年のもの。退職への決意がとつとつと書かれていた。
その年に再就職した職場で今でも働いているが、あのときの自分に今の自分は胸をはれるかどうか、悩ましい。

未来への自分に宛てた手紙を思い出したのは、虐待の末命を落とした女の子のことを報道で知ったからだ。
彼女も、未来の自分へ手紙を書いていた。

未来の自分がそれを見ることはできなかった。
幾つもの可能性を秘めた輝かしい未来への扉が、実の両親によって閉ざされてしまったのは、あまりにも切なく、悲しい。
法廷で生々しく語られる、数々の虐待に、目を背けたくなる。

誕生日は、「お母さん」が一番大変だった日。
照れ臭いけど、産んでくれてありがとう。

そして今日は、後藤騎手が旅立った日。