私と競馬の歴史その3

競馬の終わった日曜日の夕方皆様いかがお過ごしでしょうか。私は現在ＨＢ馬券術完成の

ため奮闘中です。一度決めたらやめられない性格ですから他の人まで巻き込んでしまい、

非常に反省しております。おぼろげながら見えたものもあるし全く予想に反した結果もあ

ったりして結構苦労しております。さて先週の続きです。12Ｒが万馬券となって私の馬券

が紙屑となったある日、新宿場外から外へ出た瞬間意勢の良い売り子の声が聞こえてきま

した。「おい！今のレースとったぞ！しかも1点だ。手の震えが止まらねえよ！」その売

り子の手にはまさしく12Ｒの的中馬券が1点で書かれておりました。これがあの

「○○○○ブック」という薄っぺらい出目本との出会いでありました。この売り子の説明

によると先週も先々週も当たっています。別の客がランダムに別のレースを指定しても的

中しているではありませんか。「これで金持ちになれる。」そう思った私はなけなしの金

をはたいてすぐに購入いたしました。1万円以上したと思います。使い方はすっかり忘れ

てしまいましたが次の1週間が待ち遠しかったことは間違いありませんでした。そして私

はバイトもサボリ、土曜日から新宿場外に突撃しました。結果はみなさんご想像の通りで

す。1つも当たりませんでした。完全に騙されてしまいました。しかし過去のレースは的

中しているのに未来のレースは当たらない出目本一体どうやって作ったのでしょうか。12

Ｒが終わるやいなや又してもあの売り子の意勢の良い声が・・・。改訂版でも出たのでし

ょうか。そして又しても先週と同じ客がランダムに別のレースを指定しています。この時

初めて騙されたことに気がつきました。悔しくて文句を言いたいとは思いましたが私にそ

んな勇気などありません。ここからしばらくは新宿場外に行くことはありませんでした。

田舎から出てきた純朴青年の私は他にもいろいろ街頭アンケートで騙されたり、電話勧誘

に誘われたりとこの頃競馬以外にもいろいろ嫌な思いをした記憶があります。歌舞伎町は

10ｍも歩かないうちに客引き、ポン引きが寄り付いてきます。先輩方と一緒だから良かっ

たものの恐らく1人なら間違いなく身ぐるみ剥がされていたでしょう。当時の新宿は本当

にダーティな街でした。そしてこの年の印象に残った馬と言えば日本馬初のジャパンカップ

を制したカツラギエースでした。当時バイト先でも前年の三冠馬ミスターシービーとこの年

の三冠馬シンボリルドルフの対決に大いに沸いたレースでした。カツラギエースは全く人気

がなく、大逃げで2400ｍはもたないと思っていましたが私に勝負根性を見せてくれた1頭で

した。（続く）