文豪競馬をかく語りき(横浜伊勢佐木町哀歌）PART1

皆様こんばんわ。前フリをしてしまいますと字数がもったいないので

いきなり始めたいと思います。怒らないで読んでくださいね(^^)。

ここは横浜伊勢佐木町。華やかなイセザキモールから1本奥に入った道は

通称「親不孝通り」と呼ばれる飲食店が多い通りである。

この通りのはずれ、長者町との境目にその小さな店はあった。店名は「ブラッド」・・・。

トマトジュースのカクテルがおいしい店である。店内はカウンターだけの細長い

作り。奥にはカラオケを歌う酔客のための小さなステージが・・・。

一応ＪＡＺＺバーとして開店したのであったが、もはやこの街にこのような

高尚な客は皆無。周りはコリアン、チャイナ、フィリピーナ、タイランドの

外国人ホステスがひしめく店ばかり。横浜中のスケベの酔客が集まる街となっていた。

店の奥でこの店の店長兼バーテンダーのブラック魔王さん似のＢ（45歳）

「イメージ：明石家さんま(^^）」は夕方に買ってきた東京スポーツを広げ

明日の京都11Ｒ、「第39回エリザベス女王杯」の出馬表を眺めていた。

彼の予想のベースは血統。先週のアルゼンチン共和国杯は何とか的中したものの

その前の菊花賞、天皇賞で大勝負して惨敗し、仕入先の酒屋のツケの支払いに

困っていた。酔客相手の店の売り上げは雀の涙。一発逆転を賭けるには

競馬しかない・・・。しかし本日のメインレースも2Ｒ共ハズレ。

明日のエリザベス女王杯に賭けるしかなかった・・・。何か良い情報は

ないものか・・・。ひとり客の来ない店の奥で新聞を眺めていた。

やがて二人の客が来店。一人はハンチング帽に眼鏡、耳には何故か赤エンピツ(^^)。

もう一人はアポロキャップ、スキンヘッドに銀縁眼鏡、派手なスカジャン（一緒に

歩くと本当に恥ずかしい・・・）野毛のＦ君「イメージ：横山やすし(^^)」である。

「この二人、見覚えがある・・・。」

Ｂは頭の中で3週間前の菊花賞の事を思い出した。野毛の居酒屋で仕入れ先の

広瀬さん似の酒屋の社長「イメージ：ビートたけし(^^)」と一緒に菊花賞を観戦。

彼はその時ショウナンラグーンから勝負し、5着と惜敗。ワンアンドオンリーが

最後の直線でもがき店内が鎮まる中、ひとり大騒ぎしていた六人グループの中の

二人なのであった。この時3連複配当は万馬券。

Ｂはこの時の記憶を鮮明に覚えていた。まさかここで再開するとは・・・。

彼は耳をダンボの様に膨らまし、二人の会話に集中するのであった・・・(^^)。