再会２

氷の悪魔はなんと、１人１人にお酌してまわった
「久しぶり、今何してるの？」
不良グループに属していた彼女と、中学時代に絡んでいたやつなんてほとんどいない
「久しぶり」とか言われても、誰もこいつとの思い出なんか共有していないのだ

この女は何をたくらんでる？
なんでここに来た？

とうとう俺の隣まで回ってきた
俺の隣は、井上っていう、ちょっと頭の悪い女だ
「まどかちゃん、今仕事とか何してるの？」
お前、それ聞いてどうする？
こいつの情報聞き出してどうすんだ？
いや、しゃべることが何もないからか・・・

ついに俺のとこに来やがった
「何飲んでるの？」
「ビール」
まるで尋問されて答えるようだった

半分くらい空いたグラスに、ビールを注いでくれた
何か話さなきゃって思って
「あまりに突然だからビックリしたよ・・てか、誰だかわからんかった・・・」
「あたしのせいで空気悪くなったよね・・ゴメンね・・」

自覚してらっしゃるのね

「今、どこに住んでんの？」
だからそれ聞いてどうしようというのか・・・
確かに、しゃべることが無さ過ぎてそれくらいしか会話のネタがない・・
「長野に、妹と住んでる・・・勘当されちゃってさｗ」
そうなのか・・・まぁ、どうでもいいけど・・・

まどかに幼少期に半殺しにされたナオキにもお酌していたが、あからさまにキョドるナオキにウケた

こいつ・・・もしかして、普通の女になってる？？
昔の凶悪さを欠片も見せない
一同の緊張もすっかり緩和していた
まぁ、言うてもたかが女１人だ
不良グループというバックは今はいない
いざとなれば全員で戦えば何とかなるだろう

そして、タカフミのところにまどかが行った
「まどか、お前マジ美人になったな〜！ヤベェ惚れそう！付き合って！」
こいつ酔っ払ってるな・・・

「マジで？？いいよ！！じゃぁ、うちら付き合っちゃう？？」
「え？？？？」
「ん？？？？」
一気に酔いがさめたのか
「い・・いや・・何言ってんだよ！冗談に決まってるっしょ〜ｗｗｗ」

って、あきらかにキョドってる
「なんだ、冗談か・・だよねっ」

なんだこのやり取りは・・・・
あの悪魔の言動とは思えない・・・

こいつ、マジで何を企んでる？