恋愛初心者同士３

「マジで、美女と野獣カップルだね〜」妹が言うと
「野獣なんかじゃないよ！」まどかが言った
え？もしかして、かばってくれるの？？

「野獣だったらさ、襲ってくるけど、イヴの日に一緒に寝たのに何もなかったし、野獣じゃないのは確実・・・・」

「はぁ〜〜〜〜〜〜？？」
妹の大げさなリアクション

そして父の無言の圧力・・・
「あとで話がある・・・」とでも言いたげだ

家族ってさ、どんなことがあっても味方になってくれる・・・そんな存在なはずだよね？？
なにこれ？？？
僕の家なのに・・圧倒的完全アウェー感・・

「あたし、覚悟決めて誘ったんだけどね・・・拒否されちゃって・・・」
母もあんぐりしてやがる・・

「マジでありえん！」
妹のキレっぷりの方がありえん・・

「でもね、きっとね、あたしのこと大切にしてくれてるって思うんです・・大事にしてくれてるんだな・・って思うから、ケンイチ君があたしのこと好きって思ってくれるまで待ちます」
先ほど、まどかのことを「男を立てることができる女だ」と思ったが、違う・・・
「自分の好感度だけを上げる女」だ・・・

「まだまだあたし、頑張りが足らないから、好きって言ってもらえるまで、頑張ってちょっとずつでも悪いとこ直していきますっ！」
いや・・・もういいよ・・・
僕が悪者でいいっす！
もう何を言っても悪者っす！



「え〜！まどかさんって長野住んでるのぉ？？？え〜！？妹さん信州大学！？秀才じゃん！！！」
うちの妹がまどかのことを気に入ってしまった・・・

「お母さん！！！まどかさん今日ネットカフェに泊まるとか言ってるよ！！」

「シャワーのあるネットカフェが甲府にあるんだよ・・ベッドみたいなブースあって、余裕で寝れるんだ〜」
まどかが答えると
「うちに泊まっていけばいいじゃない！」母が当然のように答える
「いや、いきなりきてそれはさすがに・・・」

「ネットカフェなんかに泊まったら危ないでしょ〜」
うちの母はネカフェをなんだと思ってるんだ？
ネットカフェ難民・・っていう単語だけよくニュースで耳にするから、きっと難民キャンプみたいなイメージなんだろうな

「いや、よく泊まるんで大丈夫ですよ」

父がカットインしてきて
「まどかさん、嫌じゃなかったら泊まって行ってよ」

「そうですか、じゃぁお言葉に甘えます」
京都だと３回断るのが礼儀とか聞いたことあるけど、山梨だと２回遠慮するのがマニュアルなんだろうか？

父が、「お母さん、寒いから羽毛の布団、用意して」
って言ったらまどかが
「ケンイチくんと一緒に寝るから布団いらないですよ〜」って・・・
「あ、今めっちゃ嫌な顔した・・・」
いや・・・してないし！！！最初からそう言うつもりだったろ！ハメやがったなまどか！！

「あたしのこういう所が嫌われるんですよね〜・・女はもっとおしとやかにしないと好きになってもらえませんよね〜〜」
まただ・・・
全部計算してやがる・・・
僕を悪者にして自らの好感度を上げる・・・
なんてやつだ・・・・
氷の悪魔は暴力だけじゃなく、そういう攻撃も得意だったのか・・・