恋愛初心者同士　10　(第4章最終回）

まどか妹がいきなり手を繋いできた
しかも、指をからめる、いわゆる「恋人つなぎ」ってやつ
「なっ！！！何を！！」って思ったら
反対側ではまどかとも手を繋いでる

まどか妹を挟んで、僕とまどかが３人で恋人繋ぎで歩く・・

なんだこの状況・・・

「ケンボ〜さん、月に１回は時間とって、おねぇちゃんとデートしてもらえませんか？」
「は・・・はい！」
「約束ですよ」
ちょっとだけ、繋いだ手をギュッとされたのを感じた

「おねぇちゃん、言いたいことはちゃんと言った方がいいよ！じゃないと伝わらないからね」
「わ・・・わかった・・・」

そして、妹は両手で握っている僕とまどかの手を握らせて、自身は僕らの前に出た
「ケンカしてもいいから、二人、仲良くねっ！」

夕陽に照らされた、まどか妹の笑顔が美しすぎて、思わず見とれてしまった

横を見ると、これまた美しい横顔がそこにあった

まどか・・・やっぱり美人だな

初めてまどかと手を繋いだ

妹に強引に繋がされたにも関わらず、車に乗り込むまでまどかは手を離そうとしなかった

パーキングエリアまで２人を送って、帰り際
まどかが抱きついてきて目を閉じた

まどかとの初キスは、彼女の妹の目の前で・・・

まどかの視界の外で、僕にしか見えないようにまどか妹は小さなガッツポーズを見せた
「よく頑張ったね」って言う合図かな？

「帰り、私に運転させて〜」ってレクサスの運転席に乗りこんだまどか妹だったけど
「なんか、やっぱ前が見えづらいからおねぇちゃん運転して〜！」と
最後まで妹に振り回されていた