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2019/12/20 19:37
フェニックスと呼ばれた男 1
リナちゃんの家からの帰り
まどかが泣きやむまで時間がかかったけどやっと落ち着いてきてまどかが口を開いた
「ケン坊・・今日、一緒に居て欲しい」
まどかの精神状態も心配だったし、その日は甲府のホテルに泊まることにした
居酒屋で夕食だったのだが
「あたし運転していくからお酒飲んでいいよ」って言われたのでビールを頼んだ
そしてまどかが、「ジンジャーエールとカルピスひとつずつ」って頼んだ
いきなりドリンク2つも?
料理が並べられてビールとソフトドリンクが2つ
まどかが僕に割り箸を渡して、自分の横の席に割り箸をひとつとカルピスを置いた
「なにその割り箸?」僕がきくと
「リナの分・・・・」
ひとつ多いドリンクと割り箸は、リナちゃんの分だったのか・・・
「じゃぁ、乾杯しよう」
僕とまどかは乾杯して、誰もいない席の前に置いてあるカルピスに、僕たちはグラスを合わせた
「ケン坊・・・あたし罪滅ぼしで彼女になったと思われてるみたいだけどちょっと違うよ」
え?
「ハードディスクもさ、容量いっぱいになったら古いデータ消えるでしょ?この例え、合ってるかどうか分かんないけど・・・
辛い記憶はさ・・・楽しい記憶で上書きすればいいんじゃないかな?
だからさ、ケン坊と一緒に楽しいこといっぱいして、過去を上書きしたいって思ってたんだよ」
「そっか・・・最初からそう言ってくれたらよかったのに」
「今まで上手く言葉にできなかったけど、今日、リナのお父さんに言われたことで自分の気持ちがわかったんだよ」
「なるほどね」
どうやらリナちゃんの家に連れて行ってよかったみたいだ
「あたし、ケン坊の彼女じゃなくてもいいからさ、ケン坊が嫌じゃなかったら側に居させてもらってもいい?本当の彼女が出来るまでのつなぎでいいからさ」
「つなぎとか、そういう言葉は好きじゃないな」
「彼女が風俗嬢だったら嫌でしょ?毎日、他の男とエロいことするんだよ?ケン坊には耐えられないでしょ?だから彼女じゃなくていいからさ・・楽しいこといっぱいしようよ!」
1年以上過ごしてきた中で一番明るい顔してる・・
「うん・・・」
楽しいこといっぱい・・・
まどかの楽しいことってなんだろう・・・・
やはりまどかは普通じゃなかった・・・
それ以降、ブッ飛んだ「楽しいこと」をまどかに強要される羽目になるとか・・・
これがフェニックス伝説の始まりだった