続き

誰も見ていなくても
誰かの為に生きている人が
世の中にはたくさんいるということを
気が付かないまま生きている

収入の高さと肩書きだけが
偉いと言われる中で

世の中のために本当に貢献している人は
賞賛されることは無い


初めて彼に出会ったのは
合コンで隣に座った去年のある日

職業は、産業廃棄物の処理をする仕事らしい。

地味で過酷な仕事で、待遇も悪く、「自分こそ社会の底辺！」とか笑ってたけど
堂々と胸を張ってその仕事のことを語る彼がとても輝いて見えた。

「人間は地球に住まわせてもらってる生き物の一部に過ぎない。だから、地球を汚さず他の生き物に迷惑をかけちゃいけない」
いかにもな正論に対して
「自分ひとりで頑張ってもたかが知れてる。
実現したきゃ政治家とか権力者になって世の中の仕組みから変えなきゃ意味ね〜よ」
みたいな返事をしていたあたしに対して

「いくらエコを唱えても政権なんて取れないし、そんなマニフェストに一票なんて入れないだろ
人々の興味は、自分の暮らしがいかに豊かになるか！？ただそんだけ。」
確かに…

「だから、自分は自分のできることを精一杯やる。
たとえ自己マンだったとしても！」

って、なんか産廃業者の作業員でも、こんだけ暑苦しいぐらいの想いを持ってる自己マン野郎も珍しいな。

んで、あたしが注文したドリンクがクソマズかったから、なんだこのドリンク！！って騒いでたら、それ、変わりに飲んでくれて、「違うの注文したらいいよ」って言ってくれた。

下心が全く見えないさりげない優しさに、すっかりもっていかれちゃったわけで…
「このあと、二人で遊ばない？」
って言ったけど、「やめておくよ」
って断られた。

lineだけ繋がったけど、向こうからメールしてくることはなく、完全にフラれたわけだけども。

この前の共通の友達に聞いて
その彼が仕事でケガをしたらしい。

片足の親指から小指まで、全部切断だって…
昨日お見舞いに行ったけど会えなくて

一度しか会ったことないあたしがいきなり押し掛けても迷惑なだけなのはわかってるけど

気になって仕方なくて。

汗を流して世の中に貢献する
無冠で無名な君が
一番尊いよ
って、伝えたい