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2015/09/26 23:33
ファイターズが高校生左腕を指名する可能性
投手は大学社会人
野手は高校生
球界にジワリと浸透しつつある傾向を、ファイターズの編成が見事に体現していることは、いくつか記事にもなっている通り有名な話である。
そこで突然話は変わる。いや、関係はあるのだが。
たとえば、野球経験4年の私は最近、バッティングセンターで140キロの打席に挑んでいる。もちろん初期は全くバットにかすらず、25球素振りをして帰ってくるだけだった。しかし最近はミートできる率も上がってきて、ストライクボールの判断もできるようになってきた。
これにカーブを混ぜられたら難易度は格段に上がるだろうが、確かに私は140キロの打席に時間をかけて徐々に慣れてきている。恐らくこれは皆さんにも同じ現象が起こるだろう。
しかし、私がマウンドに立って高校野球の打者と対戦したとしよう。最速110キロのストレートとコントロールできないチェンジアップしかない私は3年続けても思い通り抑えることはできないだろう。恐らくこれも、皆さんにも同じ現象が起こるだろう。
ここで注目したいのは、野手と投手の動作の特徴がまるで違うことだ。
野手の動作は常に投球や打球というものに影響された上で行われる「オープンスキル」である。この「オープンスキル」。目で見て、脳で計算し、その通り体を動かす、という「神経-筋肉の伝達」による部分が大きい。
これは「脳での計算」をいかに早く正確にできるか、つまり「慣れる」ことである程度の成長が見込める。
しかし投手の投球は概念上、相手のプレーに影響されない「クローズドスキル」である。この「クローズドスキル」。脳での計算速度よりかは、絶対的な身体能力(パワー・制球力・変化球技術など)が大部分を占める。
これはトレーニングを積んだ時間が絶対数として成長につながると考えられる。
そこで前出の「投手は大学社会人・野手は高校生」だ。
レベルの高い打者を抑えるためには一定の球速や制球力が必要であるが、それは何年もの年月を経て獲得されるものである。投手が高卒でプロ入りし、自分より年齢も技術も上の打者を相手に打ち取るのは難を極みといっていい。体作りをして…なんてしているうちにはじかれてしまうのが常だ。
しかし野手は「慣れ」のポジション。高卒でプロ入りして、自分より歳も経験も技術も格段に上のボールを2軍で見続けた打者と、大学の2年目から試合に出場してずっと同年代のボールを見続けてきた打者とでは差が生まれるのは必然だ。
高卒で活躍している投手もいるが、彼らの多くはアマチュア時代「超高校級」という形容詞がついた。肉体的に(150キロ投げるとか)飛び抜けていないと、あるいは入団した球団が育成に時間を割けないと、高校生投手の成功は難しい。
そう考えると、ファイターズは高校生左腕を1位では吉川光夫・松井裕樹・菊池雄星と「超高校級」を指名しているが、2位以下では豊島・浅沼・須永と指名しているが成功せず、2009年の4位土屋健二を最後に指名していない。
高橋樹也がリストアップされているなど、高校生左腕獲得への意欲はたびたび報道されているが、恐らく今季もファイターズは1位でない限り高校生左腕を獲得しない。
あるいは、高橋樹也がドラフト1位にリストされているのか?
運命の10.22まで、あと一ヶ月を切っている。