中日谷繁辞めさせるってよ。

中日谷繁解任に納得がいかない。

中日に欠かすことのできない大きなピースとして、扇の要を長年務めてきた、
チームの顔とも言えるキャリアのある選手に、

選手兼任監督という重責を担わせ、チームの再建と、正捕手育成という難題と向き合わせた。

谷繁選手兼任監督就任を知ったあの日、
中日は強くなる。そう確信した。

フロントの、チーム再建への強い意識が、思いが、「谷繁監督」という選択に凝縮されて見えた。

谷繁にはコーチ経験はもちろん、ない。
しかし、長らくチームの勝敗の鍵を握り続けてきた、人気も知名度も充分な選手。

フロントは、長期的な視野に立って、チームを再び常勝軍団へと再建するのだろうと、思っていた。無論、そこには、我慢も伴うであろうし、多少の出血も致し方ないはずだ。

しかしである。

ドラフト補強を見てみれば、その場を取り繕うような社会人選手の指名ばかり。
高校生の選手セレクトもパッとしない。

谷繁政権下、選手が育成される。
そうして成長した選手を谷繁監督が起用し、試合に勝つ。

そういった姿をイメージしていたが、現実は違った。

そもそもこの低迷の発端は、主力選手の高齢化にある。
ようは世代交代に失敗したのだ。

井端やルナの放出、中田賢一の移籍。新井良は阪神で役割を見つけ、吉川大幾が巨人で輝きを取り戻しつつある。

戦力ダウンは明らかにフロントの編成に責任があり、二軍から一軍につなげる育成システムの崩壊も指摘されるべきで、そこに谷繁監督の責任はない。

ファームでどう育成すれば一軍につながるのか。中日球団として、そのシステム構築にどれほどの試験運用を行なったのか。

行なっていない。

ドラフト指名は選手としての完成度が高い社会人選手中心であり、二軍レベルで課題を抱いているようでは到底チームは強化されない。

いくら即戦力とはいえ、社会人選手を集めてナインを組んでも、それは社会人野球のチームでしかないのである。

長期的な視野に立ってチーム再建を目指しているのなら、その場限りの社会人選手で一軍の選手数を調整するのではなく、
中日の野球を1から叩き込む、そんな可塑性のある年齢の選手を獲得するべきだ。

であるにも関わらず、社会人選手を過剰に欲しがるドラフト補強。恐らくフロントは、谷繁政権下で長期的なチーム再建など、全く考えていなかったのであろう。

世代交代はしたい。
でも、一軍は勝たせたい。

崩壊しきった球団の
そのフロントのブレを1人で背負わされたスター選手。

何より許せないのは、
そんな球団の宝とも言える選手のキャリアに、傷をつけたことである。

チームのために15年もの間、良い時も悪い時も戦い続けたナゴヤドームに、
もう谷繁元信の帰る場所はないのだ。

この事実を、中日球団は重く受け止めるべきである。