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2016/12/04 11:40
監督采配力の数値化【西武編】
毎年算出している「12球団監督采配力」の数値化を本年も行った。
【ピタゴラス勝率】を用いて、チームの総得点・総失点から予測される妥当な勝利数を算出し、実際のシーズン勝利数から引き算した数字を『采配創出勝利数』とする。ただし、その計算のもととなる得失点には監督の采配が絡んでおり、絶対的な指標とはなりえない。
さらに、ここ数年のサンプルの傾向と照らし合わせると、下位チームの方がこの評価では高い数値を出してしまい、上位チームは計算値ほど勝てなかったという結果を示してしまう。(今年もその傾向が見て取れる。この修正値を算出する方法を今後探っていきたい)
そこで引っかかるのが、この逆を示しているチーム。すなわち、得失点の予測値よりも勝利した巨人、得失点の予測値よりも敗戦した西武、阪神、中日の4チームの戦いである。
激闘の2016年シーズンに思いをはせてみたいと思う。
●【西武】痛すぎるエース岸孝之の流出
采配創出勝利-8は、「もう8勝できたはずなのに負けてしまった」ということを示す。
得点リーグ2位でありながら、失点4位。
チームとして大量失点を食い止められなかった。
そのオフに飛び込んできたエース岸流出の一報はあまりに痛すぎる戦力ダウン。
来季の失点数改善の期待は薄く、中村・栗山らが牽引する打線に頼るゲーム展開が増えそうだ。
今季の成績を見ると、西武はチーム被本塁打が78発でリーグ最少、被安打も1249でリーグ3番目の少なさであった。
にもかかわらず、暴投61、与四球524、与死球76でそれぞれリーグ最多。
956奪三振はオリックスと並んでリーグ4位。
とにかく、ストライクゾーンに入らなかったのである。
バットに当てられる被打系の数字が好成績なのはこのためであり、打たれるのを怖がってストライクが入らない状況に歯止めを掛けられなかった田邊監督の責任は大きい。
規定投球回未満ながら130イニングスをK/BB2.89(西武の規定回1/2以上投げた投手では最優秀)の防御率2点台で乗り切り、2勝を貯金した大黒柱が抜けるとなると、若手や新戦力の台頭に賭けるしかないだろう。
11敗した高橋、新人の今井、7勝したものの防御率4点台だった多和田がどれほどのパフォーマンスを見せられるかが大きなポイントとなる。
今季優勝した日本ハムは陽が、2位ソフトバンクは森福がそれぞれ退団し戦力ダウン、5位楽天は件の岸を補強、6位オリックスも陽獲得が噂され、4位西武は上下のチームから圧迫を受ける形となっている。
より戦力が均衡化される来季のパリーグ。
予測される熾烈なCS争いから、脱落しないこと、が現実的な目標となるだろう。