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2017/06/15 05:50
巨人堤GM退任に思う
2015年
野球賭博という激震が球界に走った。
プロ野球の勝敗に、選手個々の金銭が絡む事例が次々と発覚し、中でも読売ジャイアンツは主力左腕、実績のあるリリーフ、期待の若手を戦力構想から外さざるを得ない事態となった。
さらにドラフトでも戦局は厳しく、注目を浴びないようにしたのか、もしくは指名拒否が相次いだのか定かではないが、指名選手は当時中位〜下位指名が予想されていた選手が並んだ。
2015年途中から編成部門のトップであるGMに就任した堤のチーム編成は、誰の目にも明らかなマイナスからのスタートと言えた。
チームのイメージを一新するべく、その牽引役には、絶大な人気を誇るものの指導者経験が乏しい高橋由伸を引退させてまで据える他なかった。
「若い選手の声に耳を傾けたい」
堤GM就任時のコメントである。
3軍制の本格導入により長谷川らを発掘し、暗黒のドラフトと思われたドラフトからも山本、重信などが未来に希望を見せており、トレードで獲得した石川慎吾も光るものを見せている。
昨年も新任監督ながらチーム成績は2位。かつてのセリーグ3強3弱時代ではなく、山田哲人、筒香嘉智など、各チームが強烈な個の力を抱える中での2位である。
野手の高齢化や、柱となりうる投手の少なさなどの課題があり、オフには陽岱鋼、山口、さらにはクルーズらを獲得して編成部として打つ手は打っている。
それが怪我やコンディション不良で出遅れただの、連敗がいくつになっただの、その責任を堤GMに取らせる必要があるのか私は甚だ疑問である。
人間には未来を完璧に予想することが出来ないという当たり前な事実を、堤GMに責任を求めた巨人上層部はどう捉えているのだろうか。
大田泰示もそうだ。高橋監督に代わっても我慢して使われることがなかった未完の大器を目覚めさせるためには環境を変えることが必要だ、との判断も結果的には正しかった。就任時のコメント通り、出場機会を得られない若手の成長になんとか寄与したい思いの現れだった。
では、大田を放出しなかったとして、果たして巨人で大田泰示は今季どれだけ打席に立てただろうか。それが分かっていて、このままでは大成しないと判断した堤は、本当に見る目がなかったのだろうか。
2軍で結果を出しても、1軍でのボールに慣れるまで我慢してくれない。結果は求められるものの、勝敗に大きく影響を及ぼす起用のされ方を避けられるわけで、もし敗因となりそうなのであれば2軍に逆戻り。
大田泰示の伸び悩み
堤GMの引責
結局はGMが云々ではなく、「誰かに責任を押し付け、犯人さがしをしないと気が済まない体質」が問題なのだと、いい加減気づいて欲しい。
かつてUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)のテクニカルダイレクターを務めたアンディ・ロクスブルグの名言を送りたい。
「指導者は選手の未来に触れている」