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2018/11/21 10:12
もう問題だらけの育成選手制度
↑多村仁志は38歳で中日と育成契約をした。
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再就職は難しい。
終わりのない不況の中で経営効率化が叫ばれる中、少ない投資で多くの利益を生み出すことが重視され、その手法が近年急速に発達している。
実績を持たず、年齢も若手とは呼べない中堅クラスでは会社の年齢構成を歪めてまで採用するかといえば、各社及び腰だ。
これはプロ野球界も同様だ。
戦力外通告後に他球団と再契約に至る可能性はごくごく低い。一軍出場機会の乏しい若手選手を再ドラフトするシステムや、一定期間の契約が満了した際に統一して自由契約になる制度は米球界が先進しているものの、日本はまだ追いついていない。
将来に対する期待が限りなくゼロになってからようやく放出されるのが、日本プロ野球である。
24人(見込み含む)。
これは今季戦力外通告を受け、育成選手契約に降格を飲んで所属球団と再契約した選手の数である。
野球で生活することを夢見てきた選手が、クビを宣告され、「もしプレーを続けたいのなら」と育成契約を提示されたら飲んでしまうのは当然だ。
育成選手契約導入から10年以上経過したが、本来の趣旨は、一芸に秀でる選手にチャンスを与えるものであり、いわばこれまで0であったものを1にする制度だった。
また、「技術向上と社会教育」を掲げ、未熟な若手選手に対する心技体の教育を施す場でもあり、その上で出場選手登録枠の影響を受けずに有望選手を保有することができるというメリットが球団にはあった。
しかし、昨今の制度利用はいかがなものだろうか。
怪我による長期離脱選手を育成契約にして故障者リストのように利用したり、ドラフトで支配下獲得した選手をわずか1,2年で育成契約に降格としたり、外国人選手を育成選手契約して、故障時に入れ替えられるようにしたり。
あまりの制度乱用が目に余る。
我が北海道日本ハムも来季より、森本龍弥の育成契約降格と、海老原一佳の入団で育成選手を保有することになる。
海老原はともかく。森本龍弥の育成降格に私は反対である。
森本龍弥は複数ポジション守れることからファーム運営上重宝される。森本龍弥は高卒プロ6年目の選手。練習熱心さを評価されているとはいえ、これから大きな伸びが期待できる選手ではない森本龍弥の「育成」はもう不可能に近い。
MLBのマイナーリーグには、例えば1Aにはマイナー6年目以降の選手を2人までしか在籍させられないなど、プロ年数に応じてチーム構成の制限がある。
そうした制限なしに、ただただ枠外契約制度を導入したのは失敗であったように思う。