オツウのベストレース、かもめ島特別

　オツウのベストレースと問われても、選ぶのはなかなか難しい。
持ったままの完勝劇だった新馬戦、久々の勝利を挙げたダート戦、
難敵揃いの混戦を大外枠から制した多摩川S。それらのレースも
印象に残るが、私は函館のかもめ島特別を挙げたい。
　このレースは同じ脚質のプロクリスとの一騎打ちとなった。
道中はプロクリスに先頭を譲り、番手から抜け出しを狙う。
追い出しからのタイムラグが少しあるオツウは、直線で一瞬
離されそうになった。しかし懸命に追いかけて、ゴール前で
わずかに差し切った。僅差の勝利であり、特段目立つレースでは
ないかもしれないが、先行力と決め手の両方を発揮した結果と
評価したい。
　相手のプロクリスは準オープンまでに留まったが、なかなかの
相手だったと思っている。のちに妹のラインハーディーが同様に
番手から追ったが、惜しくも追撃を阻まれている。プロクリスは
フサイチエアデールの孫で、近親にフサイチリシャールや
ビーチサンバのいる良血だ。そして今はオツウと同じく、
ノーザンファームの繁殖仲間である。

　かもめ島特別で怒涛の３連勝、６戦連続連対を収め、オツウは
堂々の上り馬として次戦の初重賞に挑むことになるのだが・・・