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2019/12/21 18:57

レッドクライム(第60回) マイケル、あとは託した

 あの日と同じだった。短いはずの中山の直線がえらく長く感じた。
「行け、行け−!」そして、あの日と同じように叫び続けた。
 早いもので、あれからもう四半世紀が過ぎ去っている。同じ師走の
中山のゴール板をシングンマイケルが駆け抜けた。

 丁度2年前、私は中京競馬場にいた。その日は2頭の3歳馬が再始動を
迎えていた。クライムは夏に未勝利を勝ち上がり、この日が休み明けの
昇級初戦だった。そして未勝利を勝てず、セン馬となって障害転向初戦に
挑んだのがマイケルだ。この時は正直、マイケルがG1を勝つことになる
とは思いもよらなかった。

 その後伸び悩んだクライムは同じように去勢され、同じように障害
レースに目を向けることになる。一方のマイケルはその時点ですでに
頭角を現し、OP勝ちを挙げていた。
 上手くいけば、2頭で大きなレースに出られるかもしれない。そんな
淡い夢もまだこの時は抱くことが出来た。

 しかしはかなくも夢は雲消霧散し、両馬の成績はどんどん差が出来て
しまった。そしてついに今週、決定的な明暗を分けることになる。
 マイケルよ、クライムは道半ばにしてレースから退くことになった。
願わくばいつの日か、お前は栄光に包まれたままターフを去ってくれ。
そして、その脚で母父テイオーの名を少しでも高めてくれ。

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