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2024/10/28 15:41
天皇賞(秋)回顧 − 前半
パドックに姿を現した第一印象で不安を覚えた。イレ込みは無いものの、G1レースなのでパドック内に関係者がいるのだが、それを気にしてか内側を見るなど集中しきれていない様子だった。また、追い切り後の馬体重を考えると遠征並みに減っていたのも気がかりなところ。全体として、オーラと言うか漲るような覇気が感じられなかった。
ゲートは鞍上が意図してゆっくり出たようだ。シルトホルンが外側に膨らんできたが、接触は無いように見えた。大野騎手はレーベンが挽回するコースを左側1頭分空けていたので、ここは良心的だった。
ただ、問題はその先だ。最初のコーナーで切り込み過ぎて、ベルーガのCデム騎手が腰を落とすほどのブレーキ。その後ろにいたキングズパレスのシュタルケ騎手は最悪のケースに巻き込まれないために、隣にレーベンがいるのを承知で外に回避して来た。
ちょうどリバティの後ろを取ろうとしていた矢先のアクシデントだ。結局取りたい位置をキングズパレスに横取りされ、一列後ろに入れるしかなかった。これがあとで効いてくる。
命の掛かった場面なのに恐縮だが、イタリア人のCデムとドイツ人のシュタルケに、フランス人のルメールが日本語で「危ない!」と叫んでいるのは、どこか微笑ましい場面だ。もちろん何事もなかったから言えることだが。
そして直線の勝負を迎える。ここで前にいたキングズパレスが邪魔になる。これを交わしにかかるところでドウデュースに並ばれた。レーベンは強く追うと右にもたれる傾向があるので、ドウデュースに行ってもらってから本格スパート。抜かれてからも気持ちが途切れずに追い上げたが、スローで実力者揃いの為それほどの脚の差はない。
とにかく、この日のドウデュースは超人的(超馬的)な強さだった。武騎手は常にドウデュースの脚を使い切る騎乗を見せてくれる。脚を余したのは皐月賞くらいではないか。この馬のギアチェンジの切れ味についてはレーベンを上回る。レーベンはきれいな直飛という脚の造りの特徴なので、多少追い出しでもたつくのはルメール騎手が指摘した通り。