「復活」ではないレーベンスティールの勝利

　毎日王冠で期待通りレーベンスティールが約１年ぶりの勝利を挙げた。「復活」というタイトルが踊っているが、私はそうは思っていない。香港後のひどいスクミで破壊された筋肉を作り直して勝ったエプソムカップは確かに「復活」と呼んでいいだろう。だが今年前期の敗戦は、単純に能力を生かせなかっただけだ。

　今回は逆にすべてがハマった。最大の勝因は好スタートからの位置取り。サトノが出負けしたため、理想のポジションを先取りできた。もしホウオウとサトノが縦位置に収まっていれば、レーベンは前に馬を置けない状況になっていただろう。
　課題の引っ掛かりもギリギリ抑えていた。前のサトノが暴れていたため、「おい若いの、少し落ち着け！」と思ったかは知らないが（笑）、いつもよりマシだったようだ。外でシリウスが蓋をしていたのも良かった。

　直線を向いて、外のシリウスが早めに脱落したので、難なく前が開く。この時点の手応えで勝利を確信した。オールカマー以外の勝利はいずれも早い段階で前が開き、自分のペースで加速出来ている。レーベンの勝利条件は「軽い高速馬場」「ある程度流れるペース」「ギアチェンジ前の助走区間の確保」この３つと考える。