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2018/03/31 00:19
丸未抹消ってのはね…
よく美浦の堀厩舎に詳しい関係と話をしているのだが、そこで「サトノアルテミスのカイ食いが悪くて……」という話題が出た。
その場では「おお、そうか」と聞き流してしまったが、あとで調べてみたら、サトノアルテミスは抹消されているんだよね。
で、すぐに「ああ、丸未抹消(まるみまっしょう)の馬か」と個人的に納得したワケだ。
現状を整理すると、
・サトノアルテミスは3月30日の段階で抹消されている状態にある
・サトノアルテミスは美浦で調整されている
といった感じだ。
多くの人は「なぜ抹消した馬がトレセンで調教できるのか?」と疑問に思うようだが、中央競馬では、デビュー前の未出走馬ならば一度だけ抹消できるルールがある。サトノアルテミスは、そのルールを適用しているワケだ。
以下は、日本中央競馬会競馬施行規程の引用。
第25条
競走馬登録を抹消された馬は、再び登録しない。ただし、次の各号のいずれかに該当する馬については、この限りでない。
(1) 1歳又は2歳の時に、馬の所有者の申請により競走馬登録を抹消された馬であって、中央競馬の競走に出走したことのないもの
(2) 馬の所有者の申請により競走馬登録を抹消された馬であって、当該抹消後、地方馬 登録を受けたもの
順序が逆になるけど、(2)は、いわゆる「出戻り」の馬。
そして今回のサトノアルテミスは、(1)を適用し、2歳の段階で抹消している状態となっている。
これが、故障や引退でもないのに未出走馬をワザと抹消する、通称“丸未抹消”というものだ。
普通の人なら、なぜ“丸未抹消”が必要かと疑問に思いそうだが、理由は単純。
馬が入りきらないから (ゲームでも良くあるわな)
要するに、堀厩舎に入れたい馬が入らない状況となってしまったので、デビューのメドが立っていないサトノアルテミスを2歳12月の段階で抹消し、別の馬を入れていたということだ。
その後の堀厩舎では6歳牝馬を中心に馬の数を減らしているので、近いうちにサトノアルテミスが競走馬登録されることになる。
一時は角居厩舎が「馬が入りきらない」という理由で「2歳馬は一切預かりません」と宣言したこともあったけど、今回の堀厩舎も「馬が入りきらない」という理由で、一時的にサトノアルテミスの競走馬登録を抹消していたということ。
最近では耳にしない“丸未抹消”だけど、ちょっと前は馬主さんや厩舎の都合ですぐに使わない馬を“丸未抹消”して、今回のように厩舎の登録可能頭数が空くのを待っていたり、はたまた“丸未抹消”のまま馬主が転厩先を探すといったことが行われていた。
たまに外厩でも“丸未抹消”の馬がバリバリ乗っているので気にしていなかったけど、あまり表に出ない話なので、今回は敢えて“丸未抹消”についてお話ししてみた。今後も一般ファンには耳慣れない言葉や、分かりにくいルールがあったらお話ししていくので良かったらいいね!をくれ。