スマートフォン版へ

マイページ

756件のひとこと日記があります。

<< 誇り高き甲斐・武田武士... ひとこと日記一覧 超のつく ひも理論  ... >>

2019/11/07 06:00

『検証』弘法大師は本当に筆を選ばないのか

日本の『書道』は

唐から渡り、当時大流行していた

王羲之の作品を模倣としながらも

独自の発展を遂げていく。


書道を習っていなくとも、

一度は耳にしたことはあると思われる

“三筆”(さんぴつ)と言う存在。


彼らが日本において

【書道】の礎を築いた。


そのうちの一人は

【神野】(かみの)

と言う名前の男性。 


彼は長岡京、平安京遷都で有名な  

桓武天皇の第二皇子。


その兄は後の

平城(へいぜい)天皇。


簡単に言えばお坊っちゃん。


周りからもそれなりに

チヤホヤされていたらしい。


神野さん自身はとても聡明であり

のちの世の私から見ても

『名君』と呼ぶに

相応しい存在だと思ってる。


今日では

嵯峨(さが)天皇として

名を知られる。


神野は天皇として

様々な実績を残す傍ら


能筆家としても

『光定戒牒』(こうじょうかいちょう)

など素晴らしい自筆の書を

今日に伝えている一方で


嵯峨御流の開祖として

華道にも通じるなど

平安時代きっての文化人として

名を遺している。


でも彼自身は


実力以上に周りから

持ち上げられているのを

感じていたらしい。


※嵯峨天皇直筆の書は、文句無しに素晴らしいものです。


周りは「ミカド〜(゚∀゚)」

と言ってチヤホヤするけれど

本当はもっと素晴らしい書を書ける人が

いるのでは無いか?と。


そう自身を謙虚に

客観的に見られたことが

彼を名君たらしめたのだ


とも、私は感じる。


そんなある日、


遣唐使から帰ってきた者より

一通の帰還報告書が送られてきた。


神野「Σ!え゛〜!この文は誰の!?」

側近「橘逸勢(たちばな の はやなり)と言う者でございます」

神野「素晴らしく美しい文だ!やっぱりNo.1は私では無いのだな。橘逸勢に会ってみたい」

側近「手配致します」


〜 後日 〜

逸勢「橘逸勢でございますm(_ _)m」

神野「お前の書がNo.1だ。私の負けだ」

逸勢「え!?いやいや陛下、俺なんかより上が居ますって〜」

神野「(・・・そんな、謙遜しなくても)」

神野「私は天皇だから、皆がおだててるだけだ。私なんかはトップじゃないよ」

逸勢「え?」

神野「私はNo.2で、お前がNo.1 だ。負けを・・認める」

逸勢「いや、言いにくいですが、もう一人めちゃくちゃ巧い奴がいるんスよw」

神野「Σえ゛ぇ〜! そーなの!?」

逸勢「彼には全くかないません(T_T)」

神野「だ、誰だ!?名前を教えてくれ」

逸勢「先日、共に帰国した空海です」

神野「空海に会わせてくれぃ」


※橘逸勢は嵯峨上皇(神野)の崩御2日後に流罪となるが、それはかなり後の話。


〜 後日 〜

空海から天皇宛に手紙が届いた。

その文字を見た刹那・・・


神野「ガビーンΣヽ(`д´;)ノ ナンジャコリャー!!」


空海のあまりの文字の美しさに

かなりのショックを受けたらしいw

ガックリ・・・Orz


その内容は・・・


はじめまして、空海と申します。

今度、お会いできるのが楽しみです。


・・・〜と言うような挨拶から


【日本には優れた書家はいません】

と、神野さんにとっては

あまりにショックな内容も

書いてあったのだとか。


続けてその理由として


日本には筆、硯、紙など

どれを取っても

良い道具が無いからです。


しかし、唐ならば

素晴らしい道具が手に入ります。

と。


神野「道具がそんなに大事なのか・・・
でも、ここ日本だし手に入らない(T_T)」


〜 後日 〜


空海「沙門空海でございます」

神野「空海、会いたかったぞ!」

空海「陛下にプレゼントがございます」

神野「!!!」


そこで空海は

唐で購入した“文房具セット”を

神野に贈呈した。


神野が感激したのは

想像に難くない。


その後、嵯峨天皇(神野)の

お気に入りとなった空海は

謝礼として、あの【東寺】を

贈呈されることになる。


空海はある意味で、


高く見積もっても

数百万円程度の文房具を

天皇に贈呈しただけで


億を軽く超える莫大な資産を

手に入れることになった。


万能の天才・空海の

“投資家”としての才能をも

感じさせるエピソード。


くーかいすごいっ(*^^*)



【検証結果】弘法大師は筆をめちゃ選ぶ


つまり、道具は拘った方が良いと(。・・。)

弘法大師の教えです。


※このお話は筆者なりにアレンジを加えております。

【三筆】
・空海
・橘逸勢
・嵯峨天皇

お気に入り一括登録
  • ミカド
この日記はコメントできません。