思い出の天皇賞・春

71年。初めてリアルタイムで見た春天。勝ち時計3分33秒台。ドロドロの馬場。2周目の4コーナーを待たずにふるい落とされる馬たち。いきなりなんと過酷なレースを見たことか。
76年。ライバルとともに杉本アナもバテさせるエリモジョージの粘り腰。
90年。個人的にはベストワンの名勝負。武豊対柴田政人の火花散るつばぜり合い。
92年。世紀の対決を行うには舞台設定がひどすぎた。当日現地で馬場を見た時の失望感。まるで20年前に戻ったような馬場…。

なぜドゥラメンテやリアルスティールが出てこないのかなどと言うつもりはない。もう3200ｍが実力日本一を決める舞台にふさわしくないのはわかっている。
ただメンバーのレベルを上げるために安易に距離を短縮してほしくない。短縮するくらいなら、長距離スペシャリストの祭典という立ち位置でいい。京都外回り3200ｍの天皇賞はそれ自体が一つの芸術作品。この設定は守り抜いてほしい。