思い出のオークス

「桜花賞馬、桜花賞１番人気馬不在のオークス」といえば44年前。桜花賞馬アチーブスターは登録漏れ（当時はまだ追加登録制度なし）、１番人気シンモエダケ（８着）は体調が調わず出走できなかった。
この２頭には共通点がある。どちらも栗東・田之上厩舎の所属だったのだ。オールドファンでも覚えている人は少ないであろう地味な厩舎だが、私はシンモエダケがデビューした頃からずっと追いかけておりドキドキしながら桜花賞当日を迎えたが、勝つと信じていたシンモエダケが負け、ノーマークの同厩馬が勝ったという結果を知った時は唖然としたものだ。
さて両馬不在で行われたオークスは、人気のタカイホーマを押さえて嶋田功騎乗のタケフブキが勝った。私は複雑な思いでレースを見ていたが、不思議と「あの２頭が出ていれば…」という感情は湧いてこなかった。シンモエダケは桜花賞でピークを過ぎており出ても苦しかったろうし、アチーブの登録もれについても桜花賞までの戦績を考えれば「まあしゃあないか」と諦めるしかなかった。
残念ながらシンモエダケの血統は途絶えてしまったが、アチーブスターの子孫がオークスを勝つ日が来るのを信じてこれからも応援したい。