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2016/06/05 11:30
思い出の安田記念
日本の競馬は、血統に関係なく長距離の大レースで活躍できなければ競走馬として評価されない時代が長く続いていた。
84年のグレード制導入と前後して現れた距離体系改革の申し子二ホンピロウイナー。「生まれた時代に恵まれた」という見方をされがちだが、今にして思えばこの馬の存在がJRAを動かしたかのような錯覚を覚える。
マイラー受難の時代に距離の限界を越えて挑戦し続けたナオキ、改革が5年早ければ間違いなくマイル王に君臨していたニチドウアラシらの無念はこれから先も晴れることはないだろうが、この馬が改革元年にきっちり結果を出したことで間接的に彼らの評価を上げたことは確かだろう。
二ホンピロウイナーの一番の適正距離は1400でマイルは能力でカバーしたと今でも思っているが、85年の安田記念は全く危なげがなかった。向正面で不利があったにもかかわらず何事もなかったように再びポジションを上げて抜け出してきた姿はまさに人馬一体。河内の手綱さばきは何度見てもしびれる。
父系があっさり断絶してしまったのは残念だが、フラワーパーク等を通じて母系でこれからも影響を持ち続けてほしいと切に願う。