競輪
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2017/03/19 03:30
思い出の阪神大賞典
私が競馬を見始めた頃、中央競馬の年末開催最終日を飾るレースと言えば東＝中山大障害、西＝阪神大賞典だった。東は80年から有馬記念が取って代わったが、阪神大賞典は83年まで「暮れの風物詩」であり続けた。84‐86年の12月第1週開催を経て、現在の3月に定着するのは87年からである。
70年代の阪神大賞典には、全部のレースに思い出がある。年によっては「関西版グランプリ」と呼べるメンバーが揃い、また個性派の馬や騎手たちのパフォーマンスが私を楽しませてくれた。
まず名手・栗田勝騎手最後の重賞勝ちとなったスピーデーワンダー（70年）。ゴール前武邦彦騎手のキンセンオーが1番人気のフイニイ（増沢末夫騎手）を差し返して2着に上がり波乱となった。栗田氏は調教師としてもクリオンワードで制覇している（74年）。クリオンワードは栗田氏が騎乗して牝馬二冠を制したミスオンワードの孫であり、馬名から見てもオーナーの樫山純三氏が主戦騎手だった栗田氏の開業祝いに用意した馬だと思われる。
暮れに行われていた頃の阪神大賞典は、気鋭の3歳馬が古馬に挑む「世代交代」がテーマのレースでもあった。
72年はハマノパレードが天皇賞・秋を勝って凱旋してきたヤマニンウエーブ、菊花賞馬二ホンピロムーテー、宝塚記念馬ショウフウミドリを打ち破って名を挙げた。一頭だけ不良馬場の最内を通る「サブマリン戦法」であわやの3着に粘り場内を沸かせたマサイチモンジの奮闘も忘れ難い。
73年は応援していたホウシュウエイトが同世代のディクタボーイにゴール前交わされ天を仰いだ。
75年は落馬負傷の武邦彦騎手からロングホークに乗り替わった久保敏文騎手があっと驚く大逃げを打ちそのまま7馬身差のぶっちぎり勝ち。この時は古馬陣に「壁」になる存在はいなかったが、1番人気は意外にも前走ビクトリアCを勝った3歳牝馬「初代」ヒダロマンだった。
76年はホクトボーイがそのロングホークを9�舛僚杜椋垢鰺�して差し切り下剋上を果たした。久保敏文騎手はロングホーク、ホクトボーイ、タニノチェスターで3連覇の偉業を達成している。
78年キャプテンナムラは天皇賞馬テンメイおよび同世代のライバル達（インターグシケン、アグネスホープ、スズカシンプウ）を蹴散らしての勝利。本当はこの馬がシンザン初の大レース勝ち馬になるはずだったのだが…。
ここ10年ほどは有力馬が天皇賞・春を嫌う傾向が強まり、伝統の阪神大賞典も1,2頭の実績馬が目立つだけの寂しいレースになってしまった。今年もサトノダイヤモンドの一本かぶりである。ただ、サトノは最近の傾向では天皇賞・春を回避してもおかしくない馬であり、サトノの参戦がキタサンブラックと合わせて天皇賞・春復権のきっかけになってくれないかと一縷の望みを託している。
- グランプリ
- スピーデーワンダー
- キンセンオー
- フイニイ
- クリオンワード
- ミスオンワード
- ハマノパレード
- ヤマニンウエーブ
- ショウフウ
- サブマリン
- マサイチモンジ
- ホウシュウエイト
- ディクタボーイ
- ロングホーク
- ヒダロマン
- ホクトボーイ
- タニノチェスター
- キャプテンナムラ
- テンメイ
- イバル
- インターグシケン
- アグネスホープ
- スズカシンプウ
- シンザン
- サトノダイヤモンド
- キタサンブラック
