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2017/07/22 07:42
山野浩一氏
山野浩一氏が亡くなられた。
すでに「終活」に入ることを公言されていたので心の準備はしていたのだが、現実となるとやはりつらい。
私にとって競馬が一生ものの趣味になったのは山野氏の影響が一番大きい(あと諏訪三七氏と大橋巨泉氏)。競馬ブックの週報を買い始めたのは76年からだが、半年ごとの大レース戦線回顧とフリーハンデ、大レース特集号に掲載される名馬物語は一発で私の心を捉えてしまった。そして極め付けは「サラブレッド血統事典」。事典と銘打たれているがまさに大橋巨泉氏の推薦文にある「上等な小説を読むような面白さ」で、あらゆる場所に携帯して読みふけった記憶がある。
本来ならそろそろ山野氏の「春競馬回顧」がブック誌上を飾る時期なのだが、永遠に読む機会が失われてしまった。
競馬の楽しみがまた一つ減ってしまった…。
血統を前面に据えたライター、評論家は現在数多く存在するが、押しつけがましくなく、感情に訴えず、淡々としているがスカスカの薄っぺらい文体、語り口ではない形で血統の魅力を伝えらえる人はもう出ないと思う。
うまく言えないが、浮世離れというか世俗的なこととは一線を画し、我々とは住む世界が違うという雰囲気を醸し出しながら決して上から目線にならない、個人的にはそういう印象の人だった。
謹んでご冥福をお祈りする。