枠連１点１０万円

昔二十代の頃、まだお給料が２０万円もないときに競馬に取り憑かれたときがあった。
３〜４倍でもいい、１０万１点買いで当てたい…と。
友達は馬鹿な考え起こすな！もったいないから止めろ止めろと、言っていた。
当時は枠連しかなかった。１回目、５００円どころに入れてやられた。２回目、３００円どころに入れてやられた。３回目、１９０円の単勝に入れてやられた。
やはり、自分には才能がないんだと気持ちが萎えた。たまに儲けたのはまぐれでしかなかったのか…？、と思えた。
しかし、めげずにもう１回やってみた。５７０円が見事に入った。少し元気を取り戻した。
考え方を変えて、１０万円でなくても５万でも３万でもいいじゃないかと気楽さを取り入れた。
これが良かったのか２ヶ月くらいで２００万を超えていた。
シーバードパークという名前を覚えている。その年にデビューした牝馬で快速馬だった。偉大なフランスの名馬シーバードから名前をとったという。かなり儲けさせてもらっていたのだが、何とこの馬が牝馬の重賞でなく牡馬相手に朝日杯３才Ｓに出るという。胸が高鳴った。
寒いのに私は１００万持って単身中山競馬場に向かった。
あの日のことは一生忘れられない。