競輪
111件のひとこと日記があります。
2018/09/30 16:29
ファインニードルへの称賛、レッツゴードンキの再起への思い
今日のスプリンターズSは衝撃的だった。
雨は予報より降らなかったが、重馬場と呼ぶに十分という読み。
しかし昨年の菊花賞ほどの馬場にならなかった、という意味では読み違えていた。
3ハロン33.0‐35.3という前傾ラップを引っ張ったのは、自然なスタートで前に出たナックビーナスとラブカンプーでなく、内からハナを主張したワンスインナムーンであった。
ラブカンプーは2番手、ナックビーナスは抑えての3番手になった。
最内ではラインスピリット、半馬身遅れてすぐ外にセイウンコウセイ。
ファインニードルはその後ろの8番手。
レッツゴードンキはそのすぐ前の7番手、ムーンクエイクは最後方に陣取っていた。
３〜４コーナーでは動きは無く、この隊列のまま直線を迎えた。
私はここで、2つのことについて考えていた。
1つはアドマイヤムーン産駒4頭の位置取りだ。
各馬、先頭、中段に2頭、最後方とばらけていた。
最後方のムーンクエイクは外枠を引いたため、ルメールはあえて退いたように思えた。最後の直線に賭ける戦略。ここ2レースは近い戦法を使っているが、この馬場では難しいと考えていた。
中段のセイウンコウセイは、結果的に出遅れた上に先頭を走るワンスインナムーンほどの自信が無かったのでないだろうか。
ワンスインナムーンは陣営が、過去最高と絶賛する出来栄えで、馬体重も最高。調教も弱くなかった。スタートが良かったラブカンプーから足を使ってまで2コーナーまでに先頭を奪ったのは、強い自信の表れだと考えた。
もう一頭、中段にいたのは1番人気のファインニードル。レース後に鞍上の川田騎手は「最も欲しい場所をアレスバローズに取られた」と語っていた。しかし、その2馬身程後ろに位置取りができたことからも、最高でなくとも最低ではなかったのでないか。
もう1つ、レッツゴードンキのここまでの経緯について考えていた。
私はここ1年程、Ｇ１でレッツゴードンキの単勝を常に買ってきた。
理由は、レッツゴードンキが泣けるほど生真面目なアスリートであったからだ。
ドンキに注目したのは京都牝馬Ｓであった。
栗坂で50.1秒という絶好の時計を出していた。それだけなら過去にも例はあったが、馬体重も＋10�圓撚甬邵嚢癲�トレーニングを血肉にできていると感じた。
その日予想だけして買えなかったが、ドンキは1着だった。
生真面目さに体がついてきて、本物になってきたと感じた。
その後も彼女はＧ１レースの度に最高を更新してきた。頭の下がる思いだった。
実力はともかく、彼女のメンタルは過去の名馬達に何ら劣らないと感じている。
そのドンキが、前回、今回と弱い調教にマイナス体重。
内枠も引けず、難しいと思っていた。
だが彼女は現状でほとんど最高の位置取りをつかんだ。
もしかすると今度こそ、と考えていた。
４コーナーを回り、レースが動き始めた。
これまでレースを牽引してきたワンスインナムーンが下がり、スタートから無理をしなかったラブカンプーが先頭を奪う。
もしかしてこのまま行ってしまうのでは…と思ったところで、ジワリとファインニードルが上がってくる。レース後調べると、上位３頭で後方から上がってきたきた馬はファインニードルのみ。全体を見ても３ハロン時点までの隊列とゴールの着順は大きく変わらない。
ゴール板を駆け抜けたのは、ファインニードル、ラブカンプー、ラインスピリットの順であった。ワンスインナムーンは６着。
もしもう少し調子が悪くて、ハナをラブカンプーに渡していたらどうなっていたか。タラレバであるが、この巡りあわせはどうしても考えてしまう。
最後の最後で差し切ったファインニードルは着差以上に圧倒的な強さで、ラブカンプーはこの展開で勝てないなら１００回走っても勝てない。
これは現状での最強短距離馬であることを証明したと考えていい。
ロードカナロア以来の、久々の圧倒的勝利は私にとって衝撃的であった。
アドマイヤムーンはここまで強い競走馬を出す可能性があるんだなぁと思いつつ、５着に入ったレッツゴードンキは今後どれだけ走れるのだろうとも思っていた。
ドンキは燃え尽きてしまったのだろうか。陣営はズブくなってきたと発言しているが、今後も気持ちが戻ることは無いのだろうか。
アドマイヤムーンの調教師でもあった名伯楽、松田博資は闘争心の衰えたブエナビスタを、合わせ馬で調教することでＧ１を勝たせた。
競走馬の可能性は無限であると信じている。レッツゴードンキの陣営にも、今のドンキに合わせた最高の調教をしてくれることを期待している。
- ナックビーナス
- ラブカンプー
- ワンスインナムーン
- ラインスピリット
- セイウンコウセイ
- ファインニードル
- レッツゴードンキ
- ムーンクエイク
- アドマイヤムーン産駒
- アレスバローズ
- タラレバ
- ロードカナロア
- アドマイヤムーン
- ブエナビスタ
