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2018/11/12 23:06
リスグラシューとウオッカの話
昨日のリスグラシューの勝利を見返してたら、モレイラ騎手がスッと折り合って自然な形で道中のポジションを取っていた事に気が付いた。
私は武騎手が好きだが、リスグラシューに乗るときは折り合いを欠くことがしばしばあった。
オークス時も、敗因に気性を制御できなかった点を挙げていたように思う。
私は最も大きな勝ち切れない原因は、脚質と気性が合ってない部分だと思っていた。
リスグラシューはハーツクライ産駒らしく、気性のコントロールが難しい。だから自在性は無く、つまりペースを上げたら減速することはできない。
レイデオロのダービーのような走りはできないのだ。
リスグラシューの武器はその末脚である。
しかし、この末脚が一歩足らずに惜敗の山を築いてきた。
であれば、手段は一つ。
前に出るしかないのだ。
前のポジションを取り、以前同様の末脚を使えれば勝てる。
言うは易く行うは難し、だ。
これを実行したのはウオッカだ。
ダービー後に負け続けた日々、後ろから追い込むも足りない着順であった。
特に4歳でヴィクトリアマイルを負け、安田記念に向かうとき、陣営は引退をほのめかしていた。
ここで初騎乗の岩田騎手が先行したのだ。
ウオッカは足を溜めて勝つ競馬でダービーを制した。この戦法の転換は相当勇気が必要だったはずだ。
ウオッカは勝利し、その後は中段からの競馬が目立つようになり、戦績も比較的安定していった。
勝負とは難しく、単純なものだと思う。
差し切れないなら、前に行けばいい。問題は、どうすればそれができるのか。
リスグラシューの場合、馬体重が増えた前走からできた可能性もあるが、モレイラ騎手の折り合いは特別なものがあった。
手綱を引くことも無く、丁寧に体を寄せていた。17頭中8番手は前方に位置したことになるし、数字以上にここまで自然に前につけたことは未だかつてなかった。マジックマンの異名は伊達ではないと改めて思った。
その意味では他の騎手でも先行できるか試してほしいと思う。
モレイラ以外でも勝ったとき、リスグラシューが本当に強いかがわかるはずだ。
余談であるが、ディアドラVSリスグラシューVSアーモンドアイのレースが見たい。
真の現役中距離牝馬が誰であるのか、3頭が全盛期のうちに見れれば、これ以上幸せなことはない。