アドマイヤマーズの弱さ

NHKマイルのアドマイヤマーズはとても良かった。
外から被せるように少しずつペースを上げていき、直線で押し切る様はダイワメジャーを後ろからにしたような馬で、非常に好印象だった。

そう、この馬はこういう競馬をさせたら強いのだけど、こういう競馬ができないと弱い。
皐月賞は動きたいところで動けず4着。共同通信杯ではキレ勝負に持ち込まれ負けた。
急激なギアチェンジができないというのは明確な弱点で、これは2000ｍ戦では意外と難しい部分も内包している。
私はアドマイヤマーズの能力としてはクラシックディスタンスまで大丈夫な可能性があると思っているが、この性質は確かにマイル向きかもしれない。
スタートがローギア→セカンド→サードとゆっくりギアを上げれるくらい、周りも流れているからだ。これが中距離になってくると、どうしても中だるみが長くなる。外側にいれば問題ないが、内にいると囲まれてギアが上がらない。
急にギアチェンジできないから、4コーナーを回ってもトップスピードに達しないということになる。
ペースやポジションで能力を発揮できないというのは明確な弱点だ。
（余談であるが、グランアレグリアとは正反対の性質をマーズは持っている。レース展開によって勝敗は異なると思っているが、レベルの高いマイル戦になるほどアドマイヤマーズ向きの展開になるだろう。）

強いけど何か乗りにくい。
アドマイヤマーズとはそんな馬なのかもしれない。