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2020/06/03 23:26
川田将雅とアーモンドアイの物語
ネット競馬のアドマイヤマーズの記事を読んだ。川田騎手がインタビューに答えていた。
これを読んで、安田記念への期待が俄然上がってきた。
私はアドマイヤマーズが好きだ。
だから、鞍上が川田騎手という事にガックリしていた。
今までデムーロ騎手で勝ってきて、川田騎手に変える意味があるのか。
デムーロ騎手はNHKマイルで今年も結果を出した。東京マイルでは一発ある騎手だ。
川田騎手は今年も去年並みのペースで勝ち星を量産してるがG1連対は無し。
乗れてはいるがここ一番で印象に残らない気がする騎乗。勝ちから1歩遠のいた印象があった。
しかし、記事でアドマイヤマーズのセールスポイントを聞かれた川田騎手は「素晴らしい持久力です」と答えた。
私はこの返答で一昨年のJCを思い出し、体温が上がったような気がした。
今もまだ、手のひらが湿っている気がする。
アーモンドアイと川田騎手はちょっと変わった記録がある。
彼女が走った9回のG1競争のうち、2着4回3着1回。
日本のレースで彼女が勝ったG1は6回あるので、そのうちの5回馬券内に絡んでいる。同じ馬でなく、4頭の異なる競走馬でだ。(負けたレースで馬券に絡んでいないのも不思議)
恐らく彼は、日本で最もアーモンドアイにねじ伏せられてきた騎手だ。
さて、突然だがアーモンドアイに勝つためにはどうすればいいのだろうか。
私の考える答えは「相手の土俵で戦わない事」だ。
昔、サイレンススズカという逃げ馬がいた。その馬に勝つために、有名な調教師が「G1レベルのスプリンターを出走させハナを切らせる」と発言している。これは逃げ馬のスズカに普段と同じポジションとペースで競馬をさせないという事だと思う。これが打倒アーモンドアイの作戦だ。
2つの方法が考えられる。一つはドスロー。アーモンドアイが遅いペースに付き合えば、ラスト3ハロンのヨーイドンのレースになる。
アーモンドアイは中距離馬で、ある程度流れたペースから素晴らしいギアチェンジを見せる。しかし、スローのギアチェンジはまた別で、そこにスキが生じる可能性がある。ギアと1速→2速→3速…と上げるアーモンドアイに対して、1速→4速に一瞬で入れる勝負にしてしまおうという話だ。
しかし、ドスローの流れにしたら先頭に立つ可能性も生じる。もしそのポジションで折り合いがつけば、すごく情けない負け方になるから誰も狙わないだろう。
もう一つがハイペース。要はキセキのJCで、アーモンドアイの末脚を削ぐのが狙いだ。(もっとも、キセキの逃げはそれを狙っていないという話だが)
具体的にどの程度なのかと思うだろうが、戦績を見ると一つの事実が浮かんでくる。
彼女はスタートから3ハロンで、34秒2を切るペースで走ったことが無い。
そして安田記念は、ここ5年は傾向が変わってきているが、もともと34秒を切ることが当たり前のタフなレースだということだ。
このマイラーのペースに持ち込めば、正面から戦える可能性がある。
しかし、今回のレースに逃げ馬はいない。恐らく34秒〜34秒5あたりになり、アーモンドアイに追走され差されるだろうと考えていた。中距離馬が、その絶対能力を盾に本当のマイル戦をせずにチャンピオンを名乗るのかと、そんな憂鬱が私の中にあった。
この記事を読むまでは。
スタミナに優れる馬がアーモンドアイに勝つにはどうすればいいだろうか。付け加えるなら、先週の併せ馬で4馬身差をつけてるように、ソラを使うこともなく操縦性も抜群である。そして富士ステークスでもわかるように瞬発力を問われる勝負には弱い。
スローになるくらいなら、川田騎手とアドマイヤマーズが逃げてくれるのでないかと、そんな妄想が私の頭に生まれた。
アーモンドアイの瞬発力を凌ぐには、どの程度前にいればいいか、日本で最も負け続けた川田騎手だから、最も正確な想定ができるのではないだろうか。
安藤勝己元騎手とダイワスカーレットの話では、ウオッカに勝つためには前にいなければならないとして脚質を変え、最強牝馬への歩みを踏み出した逸話がある。
無論、昨年の香港マイルから成長していることが大前提である。馬体写真を見ても、それは大丈夫だと思う。
脚質を変えてアドマイヤマーズがひとり逃げる、アーモンドアイは第4コーナーを過ぎて上がってきた、正面スタンド前、逃げるアドマイヤマーズをアーモンドアイが捉えるか
迫るアーモンドアイ、粘るアドマイヤマーズ!負け続けた川田、一矢報いることができるのかーっ
川田将雅とアーモンドアイの新しい物語が、競馬史に残るようなレースになる夢が見られる。今はその幸せに浸って、日曜日を待ちたいと思う。