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2023/05/25 09:34
ファントムシーフの血統構成について1
ファントムシーフの血統について、よく言われるのは「Dansili=Promising Lead」の2×2だろう。
しかし、これはただの2×2クロスでなく、非常に特別な2×2なのだ。その点についてダービー前に書いておきたくなった。
まず、クロスについて書いておきたい。
簡単に書くと、クロスをするということは血統表内に同じ馬が2頭以上いる、と言い換えれる。母や父内のみに2頭いる場合でも、広義の意味では同じだ。
狙いはクロスした馬の特徴や能力を伝えることである。遺伝はそこまで単純でないが、確率が上がることは間違いない。デメリットは、過度な近親交配は体質の弱体化や奇形が生まれやすくなるともいわれる。セントサイモン系が衰退していったのも、過度な近親交配が原因の一つだろう。
より効果的と言われるクロスに全兄弟クロス、3/4同血クロスである。
全兄弟クロスはオルフェーヴル、ドリームジャーニー兄弟をクロスさせようという試み、3/4同血クロスはキンカメ系種牡馬に見られるNureyev≒Sadler's Wellsがあり、現役だとパンサラッサが対象になる。
これがなぜ効果的かというと、笠先生の著書では「歴史的な名配合であるから」というような表現だったと思う。同じ配合なら走る馬が出る打率の高さは確かに名配合だからだ。
ここからは、教科書的な話でなく私個人の見解である。
全兄弟クロス、3/4同血クロスの意味として「似てて違う」ことによる「インブリードの弊害の減少」があると思う。
私にも姉がいるが、父親に似ている。私は母親に似ている。このように、姉弟でも親の資質のどの部分を引継ぐか違いが出る。ただ、同じ遺伝子から作られてる分他より「似てる」のだ。
フェブラリーステークス勝ち馬のノンコノユメにも似た配合がある。Tulle=Iron Reward3×6だが、掛け合わされてる種牡馬の順番が逆である。
同じ配合から走る馬が作られたことは、似た遺伝子が引継がれているが、全く同じではない。この部分がインブリードの弊害を減らしていると考える。
しかし、ここで一つ条件がある。クロスする馬は優秀でなければならない。
これは当然で、特徴や能力を伝えるのであれば、その血は優秀でなければならない。それが兄弟になるなら、兄弟両方が優秀である必要がある。
(続く)