競輪
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2015/08/14 03:46
残り物には□がある？
教養のある人なら□の中に入れる言葉は「福」の一語。でも世の中そうそう甘くはない。むしろうまく事が運ばないことの方が多いとすら思えるのは、果たして自分だけなのだろうか。
□の中に入る言葉が「傷」だったり「粗」だったり「癖」だったりするケースが後を絶たない。そういえばつい最近もこれに近い事があったっけ。競走馬絡みで…。
いつものように週末出走する馬をチェック。走って当然の評判馬などには目もくれず、ひたすらそう人気にはならないであろう馬の情報を漁る。これ、自分のスタイル。もし調教でいい動きをしてたり速い時計を出してたりしたら、即ピックアップ。この日、目に止まったのは、レアファインドというステイゴールド産駒の牝馬。馬主はＧ�汽譟璽轡鵐亜７觜修いそ蠅稜蓮�しかもウッドで６Ｆ81秒台という速いタイムを出しており、動きも素軽いという。まずは競走馬掲示板を閲覧。まだ書き込みは11件しかない。早速、調教で動く割りに人気がないという旨の書き込み。何件か後に返信が入る。
「売れ残りですから」何とも素っ気ない返事にムカつきを覚える。それじゃあ何で売れ残ったのか、とことん調べましょう。ググること数回で欲しい情報をゲット。五体満足でどこも悪いところは見当たらない。取り敢えず「残り物には『傷』はなかった」ので一安心。次は金銭的な事。募集価格3000万円で40口。一口なんと75万円。さすがに高い。上に走る馬がいればこの値段でも安いのだろうが、残念なことに実績なし。「残り物には『粗』があった」これじゃあ売れ残るのも仕方がない。でも諦める理由もない。なんせこちとら一銭もお金を払っていないのだから…。オマケにググっていた途中、貴重な情報も手に入れていた。今年の牝馬クラシック戦線を賑わした馬、ルージュバックも昨年のこの時期まで、満口にならなかったそうだ募集価格2400万円の400口。一口6万円だったにもかかわらず…。理由は同じ、上に走る馬がいなかったからだとか…。
そんなに悪い馬じゃないじゃないか。血統も良いし、調教も動く。極め付けは何と言っても馬の名前。英語じゃパッとしないが、日本語に訳せば「掘り出し物」。それが売れ残っているというのだから拾ってあげるのは当然でしょ。偶然にしては出来すぎ。これは何かの暗示かも…。その場の勢いでＰＯＧの指名を決めてしまった。
その後この馬、ＰＯＧランキングをどんどん上げて行った。オマケにレースではなんと一番人気に推される。どうやら調教の動きが決め手となったようだ。そして迎えたデビュー戦。ゲートが開く。隣の馬が出遅れる。この馬は普通に出たように見えたが、隣の馬に付き合うかのように、ダッシュしようとしない。
「終わったな」時間にして僅か５〜６秒。目で追うのを止めて、レース観戦に専念した。何着に入ったかも確認せず…。結果はオークス馬の息子、二番人気に甘んじたプリンシパルスターの圧勝に終わる。ほとぼりが覚め、騎手のコメントが出る頃。レースの検証に入る。岩田騎手によれば馬がまだ幼く、走る気が最初からなかったとのこと。子供っぽい、気難しい、気ムラ。ステイゴールド産駒を語る上では、お馴染みの決まり文句。吉田竜作氏も東スポのコラムで「ステゴ産駒は人に媚びない(名言)」と言ってたっけ。
結果を見る限り「残り物には『癖』がある」と相成った。しか〜し、検証はまだ終わらない。そう上がりタイムがまだ残っている。すかさず比較………。な、なんと上がりはこの馬が一番。ただ一頭だけ34秒台で上がってる。「最後の最期で走る気出しやがったか」やはり素質はあった。気分次第でとてつもなく強い競馬が出来るかもしれない。それがいつかは分からぬが、案外大仕事やってのけるタイプなのかもしれない。なんせ名前が「掘り出し物」なんだから、やる時はきっとやってくれるんだろうな。そうなった時初めてわかるのか。やっぱり「残り物には『福』がある」と…。
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