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2015/08/25 17:15

今も耳に残る声「お早いの〜!」

「お兄さん、よくお顔を見かけるけど、調子はどうなの?」

今さっき終わったばかりのレースの当たり馬券を、声を掛けてくれた「お早いの(私設馬券換金員)」のおばさんに見せる。確か35倍以上はついた馬連だったと思う。もう30年以上前のこと。正確に幾らついたかまでは覚えていない。

「あらっ、すごい。当たったんだ」
「ええ、まぁ何とか…」

当時は、馬券を何回かに分けて買う癖があった。例えば一点に五千円つぎ込む場合、千円、二千円、二千円と三回に分けて買うといった具合に。この時も勿論同じ買い方をしていた。おばさんに見せたのは千円分の馬券。実際には合計で五千円ほど買っていた。

「良かったじゃない。でもね。あまりのめり込んじゃダメよ。今日はツキがあっただけ。いいことばかり続くわけじゃないんだから」
「………」
「おばさんこんな商売やってるから、言ってあげられるけど、ダメになって行った人、いっぱい見てきてるんだから…」
「はい…」
「毎日通うようになったら、おしまいよ」
「わかりました。気をつけます」

詳しいことは書かないが、25歳前後の頃、とにかく小金と時間はあった。勿論ちゃんと仕事しながらである。時間がある時は必ずと言っていいくらい、南関東四場には顔を出していた。

おばちゃんの忠告も今は懐かしい思い出。勝ったり負けたりを繰り返しながら、いつしか景気も悪くなり、三十路を迎える前には、自然と競馬場から足が遠のくことに。

住宅街の中に佇み、田舎の哀愁をプンプン漂わす、大好きな場所。浦和競馬場での出来事。配当こそ虚覚えだが、1、2着に来た馬の名前だけは何故か忘れないで覚えている。

リュウウルフ」と「ガイズフェイバー」。

当ネットケイバのデータベースにも載っていない馬の名を。何故ハッキリ覚えているのか…。その日の或る時間だけの記憶が自分の脳の中に鮮明に残っている。よっぽど自分にとって大事なことだったのだろう。だから記憶に残る。今はおばちゃんの言ってくれたこと勿論ちゃんと理解して、競馬を適度に楽しんでいる。

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