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2019/03/16 01:38
クレイドルサイアー
オグリキャップの子孫で、種牡馬登録されているサラブレッドである。揺りかご種牡馬、生まれながらにらして引退後を約束されていた名前にしか見えない。
しかし、登録して以来数年間産駒の競走馬登録はお目にかかれない。これは繋養する側にも馬自身にも大きな負担であり、早急に切り抜けないとならない。
ヤフーニュースは詳細な状況が書かれ有意義であった。しかし見出しの記述では、オグリキャップの血を持つ競走馬が無くなるような書き方だが、これでは誤解を与えてしまう。
存続の危機があるとすれば、オグリキャップの子が生まれ、その子が種牡馬となって子を産んで、その子が種牡馬・・・と言う、言わば男系主義的な存続である。
極端な例を挙げると、20世紀末まで続いたアメリカのLexington系や、タパルク〜アズユーライクのラインがあり、特に前者は50年近く前から出走すらしていないラインの継続を試みていた。
プロの生産者として、こうした存続にこだわりを持ち続けるのは金銭的にもネットワーク的にも困難であり、日本の競馬の歴史において、数十年以上前の活躍馬の中で、父系が続いているケースは非常に珍しい。
しかし数少ない例として、メジロアサマ、マルゼンスキーの父系には現役種牡馬がいる。シンボリルドルフ系も厳密には完全に消えていない。トウショウボーイも2015年までいた。メジロサンマン〜イーグル〜パーマーと続き、アグネスタキオン相手の逃げ戦法のデルマポラリスも見逃せない。
個人レベルの展開にて存続が試みられ、それぞれ強固なポリシーを持って臨まれていた。
帝国のような主流血統群の前ではいつ消えても不思議は無いものの、見ていて競馬も捨てたもんじゃないと思える、以前にも書いたが、競馬へのイメージは決してポジティヴではない。
この話は、血統表を見てわかる人とそうでない人がいる。
個人的見解だがセンスがいる着目点だと思い、むしろプロホースマンの方が熱狂的なファンより疎い場合があり、理解されにくい。
クローズアップされたのは、オグリキャップから二代、三代と続けられたこと、実績的に引退後すら保障されない程度のレベルにも関わらず種牡馬登録されたこと。
もしクレイドルサイアーがいなければ、父系存続という概念の輪郭もぼやけたままで、ファンから忘れられやがて消滅ても不思議ではない。
今でもニュースになるのか、という安堵がポジティブシンキングの要素である。
こちらを存続させるために、今我が応援する父系を諦めてでも手を貸さないとならないのか、という不安と、 存続がサクセスした時その父系にもスポットライトが浴びられるのか、という期待が入り混じった中で読み進めたが、もしクレイドルサイアーの父系が復活することがあったなら、サラブレッドの不可思議に出会える気がする。
我輩は応援したい。