天彦、２位以上確定

将棋の名人挑戦を決める第74期Ａ級順位戦の８回戦が２月１日に一斉に５局行われた
佐藤天彦八段が勝って７勝１敗となり２位以上が確定。２敗勢の３人はどうなったのか？と言うと、前期挑戦者の行方尚史八段は郷田真隆王将に勝ったものの渡辺明竜王は屋敷伸之九段に敗れ今期も名人挑戦を逃した。佐藤康光九段(永世棋聖有資格者)も広瀬章人八段に敗れ名人挑戦を逃すことになった

毎年「将棋界の一番長い日」とされるＡ級順位戦の最終戦一斉対局は今期は２月27日に行われる

今期の名人の挑戦権争いは天彦と行方の２人に絞られた
そして最終戦(９回戦)で直接対決！
天彦が勝って先に挑戦権を決めるのか？それともプレーオフか？

その一方で降級争いは？
２勝６敗が久保利明九段、広瀬章人八段、現在防衛戦を戦っている郷田真隆王将
３勝５敗が深浦康市九段と名人通算８期の森内俊之九段

最終戦の対戦カードでは

久保ー森内、広瀬ー深浦、郷田ー屋敷

となっていて
勝てばもちろん残留が確定するのだが、敗れた場合は上記の対戦のいずれかの結果待ちに。前期の順位との兼ね合いもある

森内九段は勝てば残留だけどね。敗れると前期の順位(７位)の関係から降級に・・・
名人位通算８期(十八世名人有資格者)のウティがまさかの降級の大ピンチ

広瀬ー深浦戦はお互いに勝てば残留、敗れると降級

現在、防衛戦を戦っている郷田真隆王将は勝ったとしても久保と広瀬が勝ってしまうと前期の順位(６位)の関係により降級することになる
要は自力での残留は無理
(ちなみに屋敷は５勝３敗)

久保、広瀬、郷田、森内の４人の中から降級が出るのは間違いないんだけどね
(Ａ級順位戦の降級は２人)

挑戦権争い、残留争いに全く関係ないのは渡辺ー佐藤康戦だけか
しかしナベは相変わらず名人への道は遠いね(^_^;)

前期は４者プレーオフという大激戦
今期は上位２名による最終戦直接対決(〜プレーオフ？)と降級争い

どんな最終戦になるのだろうか？



ちなみに名人戦(順位戦)はこういう棋戦です

朝日新聞社と毎日新聞社の共催(2008年〜)

フリークラスを除いた全棋士をＡ、Ｂ１、Ｂ２、Ｃ１、Ｃ２の５つのクラスに分けてリーグ戦を行う。Ａ級(10名)とＢ級１組(13名)は総当たり戦、Ｂ級２組(今期は26名)とＣ級１組(同34名)では10戦、Ｃ級２組(同47名)では11戦行われる

持ち時間は全てのクラスで各６時間
なので10時の対局開始で終局が夜中なんてザラ

Ａ級は優勝者が名人挑戦で降級が２名、Ｂ級１組は昇級が２名、降級２名
Ａ級順位戦最終戦を終えた時点で同率１位が複数出た場合(前期は４者プレーオフだった)は前期の順位を生かしてのパラマス方式のトーナメントになる

４月〜６月にかけて名人とＡ級順位戦の優勝者が７番勝負を戦う
持ち時間は各９時間(封じ手がある)

Ｂ級２組、Ｃ級１組、Ｃ級２組では昇級がそれぞれのクラスで２名、降級に関しては降級点というものがある(１期＝１年で降級という意味ではないが)
対戦カードの決定については色々な取り決めがあるようだ

昇級するごとに段位が上がっていくのでＡ級になると最低でも肩書は「八段」以上。またこういったシステム上、デビューしてすぐに名人挑戦はできない(竜王戦など他のタイトル戦ならデビュー１年目で挑戦可能)。名人挑戦まで最低５年かかる

棋士の給与はこの順位戦でどのクラスに在籍しているのか？によって差があるというからね。