久しぶりの馬之助　2023天皇賞秋 レース後

天皇賞、直線に入ってなお悠々と追い出さないそのさまに見入った
我庭では負けるわけがない、どんな強気逃げ馬がいようが、我をマークする後続馬がいようとも
そんな騎手の思いを感じ取れる程のレース運びを

田原成貴原作の漫画を見て、騎手の気持ちに少しだけ近づけた気がした頃、強い馬はまたがった瞬間に解るということを知った
背中の感触、そういうものが存在するのだと
イクイノックスもまたそういう馬なのだろうな

天皇賞秋、不安要素は一切ない
ルメールのその思い（そう想像しただけだが）をレース運びを見てそう思った
レース前まで、イクイノックスの強さを感じることができなかった僕は、あぁ……、やはり競馬センスがないのだろう

ただ僕は、これまでただ負けてきたわけではない
僕は直前掛金を減らしていた
勝った時の目減りと負けた時の痛手を、冷静に考えて掛金を考慮していた

もしかしたら、まともな大人になった
ある意味、つまらない大人になった
どちらが気持ちいい人生か、どちらが幸せな人生か
「程度」がすべてだとは思うが、「馬之助」という男を思い出した