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2012/12/18 22:26
有馬記念のお約束
有馬記念を予想する上で、まず注目しなくてはならないのが5歳以上のベテランです。天皇賞(秋)が2000mになって以降の28年間で、その年の天皇賞(秋)とジャパンCのいずれかで連対した5歳以上の馬は、有馬記念で連対率0%、複勝率10.5%とまったく走っていないからです(両レースに出走した馬に限れば複勝率も0%)。
中にはテイエムオペラオー、ゼンノロブロイ、タップダンスシチー、エアグルーヴなどの一流馬も含まれており、昨年もブエナビスタとトーセンジョーダンが人気で敗れました。
先週の札幌2歳Sの話とは違い、この理由を説明するのは簡単です。そもそも有馬記念というのは、菊花賞、天皇賞(秋)、ジャパンCなどのビッグレースを最大目標としていた馬が余力で走るレースであり、最初からここに狙いを定めている馬は少ないからでしょう。3〜4歳の若手であれば大一番を終えたあとでも体調をある程度は維持できますが、ベテランになってくるとそうそうピークは長続きしません。
つまり今年は5歳の天皇賞馬エイシンフラッシュが非常に怪しいということになりますが、出来ることならもう少し対象を広げてみたいところ。同じく5歳のルーラーシップとダークシャドウは、天皇賞(秋)とジャパンCで、それぞれ3着→3着、4着→4着でした。
これも過去28年を見てみると、5歳以上の馬が同2レースを続けて3〜5着したケースは2回あります。2006年のコスモバルク(4着→4着→有馬11着)と2001年のメイショウドトウ(3着→5着→有馬4着)です。サンプルが2つでは信用に足るデータではありませんが、この考え方の根本がピークの維持であることを踏まえると、ビッグレースで続けて5着以内に好走することは、連対1回分程度の活力ロスがあっても不思議ではありません。
では逆に、5歳以上で好走する馬はどういったタイプなのでしょうか。勝ってもおかしくない人気馬は別にして伏兵で考えると、概ね次のような傾向があります。「その年の上半期に重賞連対し、下半期には一度も連対していない馬」です。
これも前述の話と関係しており、その年を迎えてからも重賞級であることは示しつつ、秋のレースを負けることでむしろ活力ロスを避けられた馬が、有力馬がピークを過ぎることで相対的に力の差が縮まり、激走して穴を空ける、ということでしょう。
単純に夏以降、衰えてしまった馬との見極めが難しく、軸にとるのは勇気がいりますが、相手としては是非押さえておきたいパターンです。今年のメンバーでは、トゥザグローリーとビートブラックが該当します。