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2011/11/27 19:44
【本日のマイナー血統】バックパサーを経由しないトムフール系産駒が米G3制覇
11月25日にゴールデンゲートフィールズ競馬場で行われたオールアメリカンS(3歳以上、AW9ハロン、6頭立て)で、4番人気のOur Nautique(せん6)がクビ差で逃げ切り、重賞2勝目を挙げた。6000勝以上を挙げている殿堂入り調教師ホランドーファー師の管理馬かつ所有馬で、2010年にオーストラリアからアメリカに移籍している。
《勝ち馬の血統表》
http://www.equineline.com/Free-5X-Pedigree.cfm?page_state=ORDER_AND_CONFIRM&reference_number=8599516®istry=T&horse_name=Our+Nautique+(NZ)&ASCID=1443262
Our Nautiqueは5代父にTom Foolを持つ血統。Tom Foolはアメリカ東海岸の重要レースを勝ちまくった名馬で、父としては自身よりさらに偉大なBuckpasser、米二冠馬Tim Tamなどを出した。この系統は多くの名馬の母の父として歴史に名を刻んだBuckpasserに代表されるようにBMS成績が素晴らしく、日本でもTom Fool直仔のモデルフールがモデルスポートの父となり、その産駒ダイナアクトレスを通じてJC勝ち馬スクリーンヒーローなどの活躍馬が出ている。
勝ち馬はBuckpasserを経ない系統のひとつ、英2歳G1デューハーストS勝ち馬Silly Seasonの系統。その産駒でデューハーストS父子制覇を果たしたLunchtimeがオーストラリアに渡り、G1を3勝したSnippetsなどを出して成功。Snippetsはオーストラリア種牡馬リーディング上位常連となり、産駒で勝ち馬の父のPinsは現在ニュージーランドで種牡馬リーディング2位4回、4位2回を記録する人気種牡馬として活躍中だ。ちなみにPinsは現在15歳。今年までに2頭の産駒がオーストラリアで種牡馬入りしている。母の父がかつての豪の大種牡馬Star Kingdom系で、母系も戦前から続く内国産と、オセアニア色の強い血統だ。
Buckpasser系も昨年のBCスプリント勝ち馬Big Dramaなどを出して意地を見せているものの、種牡馬リーディング上位にくるような有力種牡馬がいないのが現状。Silly Season系はTom Foolの子孫で現在唯一活気のある系統と言ってもいい。豪リーディングサイアーのLonhroが来年アメリカにシャトルされるように、最近のアメリカはオーストラリアで発展した血を導入する動きがあるので、Pinsの血もいずれ祖先の故郷アメリカに還元される日がくるかもしれない。