2歳で年度代表馬→種牡馬として大失敗→クォーターホースの産駒が大レース勝利、の話

12月10日にロスアラミトス競馬場で行われたクォーターホースG1のチャンピオンオブチャンピオンズで、Good Reason SAがハナ差で勝利した。チャンピオンオブチャンピオンズは古馬のクォーターホースによるレースで、最高の賞金が設定されおり、クォーターホース版ブリーダーズカップともいうべきもの。

優勝馬の父はサラブレッドのFavorite Trick。8戦8勝でブリーダーズカップ・ジュヴェナイルとホープフルSを制し、特にBCジュヴェナイルは6･1/2馬身差の圧勝で、1997年のエクリプス賞年度代表馬と最優秀2歳牡馬を獲得。アメリカ史上3頭目の2歳で年度代表馬となった名競走馬だ。

引退後はウォルマックファーム（ハットトリックが今年まで繋養されていたスタッド）で種牡馬入りしたが、8世代の産駒を送り出してG3を勝つのがやっとと活躍馬を出せず、後年はおもにクォーターホース用種牡馬としての活動であった。そして2006年に厩舎の火災で同じく名競走馬のSaratoga Sixらとともに焼死した（ただし、クォーターホースは人工授精による繁殖が認められていて、2012年も3000ドルで保存された精液を購入できる）。

Good Reason SAはチャンピオンオブチャンピオンズ優勝後に引退し、オクラホマ州のロイヤルビスタランチェスで種牡馬入りしている。クォーターホースの世界でFavorite Trickの血は受け継がれることになりそうだ。

なお、大種牡馬Storm Catも2009年にサラブレッドの種牡馬引退後、クォーターホース市場に参入し、20000ドルで精液が提供されている。現在唯一のStorm Cat産駒のクォーターホースが2歳馬に1頭おり、4戦未勝利の成績を残している。