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2012/03/26 12:28
【本日のマイナー血統】シンザンらと同じボワルセル系の生き残りがアメリカで勝利
3月24日、マウンテニア競馬場で行われた一般戦(3歳以上牝馬、ダート6ハロン、7頭立て)で1番人気のLizgatogo(牝7)が人気に応えて6・1/2馬身差で逃げ切り勝ち。およそ3年2カ月ぶりの勝利で通算35戦4勝。ステークスどころかアローワンスすら出走したことがなく、まったく期待されずにここまで走っている。
http://www.equineline.com/Free-5X-Pedigree.cfm?page_state=ORDER_AND_CONFIRM&reference_number=7550620
Lizgatogoは5代父がBois Roussel産駒でセントレジャーS勝ち馬で英リーディングサイアーにもなったTehran。Bois Rousselも英愛リーディングを2回獲得し、日本では産駒のヒンドスタンがシンザンの父となるなどで中央リーディングに七度輝いたことで知られていると思う。Tehranは欧米では英二冠馬Tulyarのラインが発展し、日本に輸入された産駒ではタケホープ、タケフブキの母の父となったタリヤートス、カツラノハイセイコの母の父のジャヴリンが知られている。余談になるが、Tulyarの勝った大レースで二度2着に入ったゲイタイムは日本に輸出され、二冠馬メイズイなど数多くの活躍馬を輩出してTulyar産駒以上の成功を収めている。
Tehran産駒のTale of Two Citiesがチリでリーディングサイアーとなり、その産駒CougarがアメリカでサンタアニタHやオークツリー招待Sなどの大レースをいくつも勝って種牡馬としても北米リーディングを獲得。しかし、後継種牡馬が振るわず、代表産駒のケンタッキーダービー勝ち馬Gato Del Solも重賞勝ち馬1頭すら出せない大失敗でラインは一気に衰退した。
勝ち馬の父でGato Del Sol産駒のGato Del Surは通算38戦3勝。ステークスでの実績はなく下級競走馬で終わった二流以下の競走成績だった。種牡馬としてもこれといった実績はなく、すでに引退しているようだ。ほかにGato Del Solの後継種牡馬はおらず、少なくともアメリカではこの系統はほどなく断絶となるだろう。Bois Roussel系としてはGallant Manのラインがわずかにあるのでもう少しだけ続きそう。
ちなみに日本でのBois Roussel系はシンザン系産駒が2000年以降も細々と生き残っていたが、2009年で現役馬はいなくなったようだ。直系ではミホシンザン、マイシンザンなどが功労馬として余生を送っている程度。シヨノロマンなどの母の父がシンザンの牝馬やコスモドリームなどのヒンドスタン系傍流牝馬もすでにほとんどが繁殖を引退していて、これといった活躍した産駒も見当たらない。昭和が遠くなるにつれ、日本で一時代を築いた父系も遠い存在になっているようだ。