517件のひとこと日記があります。
2012/05/04 09:43
2000ギニーの出走馬が確定したので、注目馬をピックアップして分析してみる
01.アブタール/Abtaal(C.スミヨン) 8〜9倍
通算4戦2勝。2歳時のG2で逃げて軽く追っただけでフレンチフィフティーンに3馬身差をつけて完勝している。今季初戦のジェベルSは後ろからの競馬で追い込み届かずフレンチフィフティーンから1/4馬身差の2着。人気ではつねにこちらが上位で、2000ギニーのオッズでもG1勝ちがないにもかかわらず2番人気につけている。展開を問わない自在性が武器。
03.ボーントゥシー/Born To Sea(J.ムルタ) 9〜11倍
通算2戦1勝。母が凱旋門賞馬アーバンシー(Urban Sea)で、ガリレオ(Galileo)とシーザスターズ(Sea The Stars)を兄に持つ超良血。アーバンシー最後の産駒で、すべての命は海に通じるという、アーバンシーの繁殖成績を総括する馬名のように見える。知名度はバツグンだが、昨シーズン終盤の手薄なG3で完敗していて、力量には疑問が残る。父はスプリンターのインビンシブルスピリット。産駒はスタミナ母系との配合で距離は持つ傾向にある。
05.キャメロット/Camelot(J.P.オブライエン) 2.0〜2.79倍
通算2戦2勝。オブライエン陣営の筆頭格で前売りでは断然の1番人気。昨年の英G1レーシングポストTでは最後の1ハロンで格の違う末脚を発揮して非凡な才能を示した。先日世を去ったモンジュー(Montjeu)の産駒で、英クラシック二冠を狙える逸材と目されている。ただ、各種レイティングでは例年の世代トップより低く、2歳で素質を見せたモンジュー産駒がアテにならないため、走ってみるまではなんともいえない部分がある。
09.フレンチフィフティーン/French Fifteen(O.ペリエ) 9〜11倍
通算8戦6勝。仏G1クリテリウムアンテルナシオナル勝ち馬。カタール王族のほうのシェイク・モハメドが所有。後方から残り200mで末脚を爆発させる戦法。栗毛でダイナミックな走法で見栄えがする。重馬場も苦にしない。なお、前走で勝ったジェベル賞の1〜3着馬が2000ギニーに遠征している。
11.パワー/Power(R.ムーア) 10〜15倍
通算6戦4勝。G1ナショナルS勝ち馬で、先日ダビルシム(Dabirsim)を破ったドラゴンパルス(Dragon Purse)に完勝している。長くいい脚を使えるタイプで競り合いに強い印象。若干短距離傾向のあるオアシスドリーム(Oasis Dream)産駒かつ8ハロン経験がないのは気がかり。
18.トランペットメジャー/Trumpet Major(R.ヒューズ) 9〜12倍
通算9戦4勝。本番と同距離の前哨戦クレイヴンSを中団から伸びて5馬身差圧勝で注目度を高めている。走りは硬い感じで大物感はあまりないが追って味がある。
【個人的な見解】
キャメロットが前評判どおりの名馬になるかが焦点。ただ、同じモンジュー産駒で2010年のセントニコラスアビー(St Nicholas Abbey)と臨戦態勢と騒がれ方が似ていて、同じようにコケるのではないかという懸念がある。母父キングマンボ(Kingmambo)で血統的には明らかに距離伸びていいので、ここで勝てるならダービーも勝てるだろう。
超良血のボーントゥシーにも似たようなことは言えるが、こちらは12ハロンはさすがに厳しいか。ただ、兄のシーザスターズも父がスプリンターのケープクロス(Cape Cross)でクラシック二冠+凱旋門賞を制していて、G1馬を4頭出している母アーバンシーの奥の深さには抗いがたい魅力がある。
今年は英仏の差が少ないと見られ、フランスからの遠征組は上位を狙えそう。特にフレンチフィフティーンはハイペースで確実に浮上する。アブタールも知名度はそれほどでもないが、まだ能力を出しきっていない印象でこちらも有力とみる。