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2012/02/18 19:31
【本日のマイナー血統】ブラジルで存続したシカンブル系の9歳馬がアメリカで勝利
2月17日にターフウェイパーク競馬場で行われた一般戦(3歳以上、AW6ハロン、10頭立て)で、8番人気のProsico(せん9)が終始1馬身程度離しながら逃げ、そのまま脚色が衰えず1・3/4馬身差で逃げ切った。通算52戦13勝。
http://www.equineline.com/Free-5X-Pedigree.cfm?page_state=ORDER_AND_CONFIRM&reference_number=6837793
Prosicoは5代父にSicambreを持つ血統。Sicanbreは9戦8勝。2歳時にグラン・クリテリウム、3歳時に仏ダービー、パリ大賞と、当時のフランスの重要レースを制し、負けたのは2歳時のモルニ賞2着だけ。凱旋門賞の最有力馬だったが故障で引退した。種牡馬としてもフランスのリーディングサイアーとなって成功。日本にも産駒が種牡馬として輸入され、天皇賞馬クシロキングの父ダイアトム、二冠馬カブラヤオーとエリザベス女王杯勝ち馬ミスカブラヤの全兄妹を出したファラモンド、二冠馬タニノムーティエなどを出したムーティエと、大レースに強い中長距離血統として活躍した。
一方、勝ち馬が属するのはサンクルー大賞2着、英ダービー3着と、大レースを勝てなかったShantungのライン。ただ、Shantungは種牡馬としてはSicambreの代表的な後継種牡馬となり、3頭の英愛クラシック勝ち馬などを出した。そのうち英オークス馬ジネヴラは日本に輸入され、子孫に東海公営の強豪マジックリボン、タイプスワロー、アメージングレイスが出ている。
そしてサンクルー大賞を勝ち、“キングジョージ”、リュパン賞などで2着の成績を残した、牡馬の代表産駒Felicioがブラジルに輸出され、勝ち馬の祖父で7戦無敗のブラジル三冠馬Itajaraなど数々のブラジルのチャンピオンを送り出した。Itajaraはハリウッドゴールドカップ、サンタアニタHと米G1を2勝した、勝ち馬の父のSiphonを出している。
Siphonはアメリカで種牡馬入りし、2頭のG1勝ち馬を出すなど、ある程度の成功を収めた。ただ、活躍馬には騙馬が多く、牡馬のG1勝ち馬も現役中に死亡するなどで後継種牡馬には恵まれていない。2010年の種付けシーズン後にブラジルに里帰りして種牡馬生活を続けているようだ。同年3月に同じItajara産駒で2005?2007年にかけてブラジルリーディングサイアーを獲得したRomarinが死亡したため、その代役として需要があったと思われる。
日本でのSicambre系は当時輸入種牡馬全盛ということもあり、カブラヤオーがエリザベス女王杯勝ち馬ミヤマポピー、日本ダービー2着で初期のダビスタの最安種牡馬として知られたグランパズドリームを出した程度で、すでにラインは途絶えている。世界的に見ても主要国で存続しているのはブラジルだけのようなので、独自の血統としてがんばってほしいものだ。