フリオーソの想い出(地方の総大将)

２０１０年
ダート界はもはや「大御所」の風格漂うヴァーミリアンヴァーミリアンを倒し新時代を予感させたサクセスブロッケンエスポワールシチーの登場□
充実溢れるＪＲＡに対し相変わらず大将のフリオーソが１頭で支え続ける南関
新鋭達も…２年連続してダービー馬が「一発屋」で、バグパイプウィンドやブルーラッドも中央を相手にすれば…話にならない連中ばかり

逃げては差されの日々で…フリオーソはG1の２着を量産
川崎記念では、ヴァーミリアンの９個目のG1勝利にフリオーソ自身が華を添えた


しかし小さくも確実に光りは差し込んでいた川崎記念を最後にボンネビルレコードが大井に再転入そして昨年より重賞を連勝し、大賞典でも４着した船橋のセレンが登場
確かにヴァーミリアンらに通用するかは疑問でしたが、こんな小さな光すら…希望であった


迎えた春の大一番帝王賞
史上最強メンバーと呼ばれた豪華布陣

「カネヒキリルール」なるモノで１年ぶりに特別待遇(？)で復帰したカネヒキリに１０勝目のG1を目指すヴァーミリアンサクセスブロッケン
そして当時はG1未勝利のスマートファルコン

強い…強すぎる□でも南関勢もかすかな望みがあった
大井記念をワンツーしたセレンとボンネビルレコードがいる。特にセレンに対する期待は大きかった…ヤネは石崎隆之で上がり馬の帝王賞は、嫌でも「あの馬」を思い起こさせた
ボンネビルレコードも的場文男の魂の鬼調教で熱心に攻め、中央時代の０７年に制した帝王賞□一発を狙っていた

そして大将フリオーソヴァーミリアンらに加え、スマートファルコンやサクセスブロッケンまで…だが川島調教師は言った


『戸崎…これで勝てなきゃ…もうチャンスは無いぞ』


自身最高のデキで望んだ帝王賞は文字通り…ラストチャンスだった
そして石崎的場を押し退け、自分が地方勢で一番人気であった事リーディングジョッキーの真価が問われる…


レースは押し出され逃げたサクセスブロッケンをマークし、直後スマートファルコン…ヴァーミリアンにカネヒキリ
ボンネビルレコードはインの中団『的場ポジション』更に後ろがセレンだった…


前にも後ろにも恐い馬ばかり…当たり前か〓こんなメンバーじゃ…４コーナーでカネヒキリやヴァーミリアンが手応え良く上がってきた
ボンちゃんやセレンはやや遅れた…

「無理か…やっぱり」


でもフリオーソは伸びたカネヒキリが迫ると…実況が言った

「間からボンネビルレコード！」

カネヒキリのインで懸命に踊る的場さんの姿があった
そして大外からはセレンが猛追…


フリオーソが勝った
３着にボンネビルレコード、５着セレン…史上最強のメンバーの中で南関の３頭が掲示板
南関馬が初めて…カネヒキリやヴァーミリアンを倒した瞬間だった
そして石崎隆之より的場文男より…戸崎が帝王賞で一番上の着順を手にした

これは何度観てもたまらないシチュエーション人馬共に…苦労が報われた瞬間でもあったから

秋の日テレ盃でも、スマートファルコン・トランセンドの中央馬を相手に完勝
番手から抜け出す競馬を身に付け、本格化したフリオーソは完全に総大将として認められた…ＪＢＣ→大賞典と交流G1完全制覇の期待まで挙がった


しかし…



この日テレ盃をキッカケに…武豊とゆう男が



あんな化け物を産み出してしまうなんて

続く