さらばボンネビルレコード(新星誕生〜中央へ)

フリオーソの引退発表に続き…大井を支えた１頭の名馬も大賞典で引退を迎える事になる


ボンネビルレコード


何を隠そう…この馬が一番好き大井競馬場の大将として名を馳せ、黒潮盃・サンタアニタトロフィー・東京記念・金盃を制し中央へ的場文男との黄金コンビで、帝王賞・かしわ記念を制覇し…日テレ盃でフリオーソを下した際のレコードタイムは未だに破られていない
この馬もフリオーソ同様に、現在の暗黒期に翻弄された馬G1を２度制した馬が１０歳の暮れまで走らなければならなかった理由…後継者不在の南関の現状を現している

大井の大将ボンネビルレコードの活躍を振り返ってみたい


ボンちゃんはフリオーソより２歳年上フジノウェーブにマズルブラスト、そして怪物と呼ばれたシーチャリオットカネヒキリとヴァーミリアン・サンライズバッカスなどが居る
デビューから連勝を重ねたワケでもなく…言わば「どこにでも居る」差し馬
クラシックでは３着が関の山のソコソコ君で、的場騎手も「強いのが１頭居るからね」とゆうコメントばかり…当時のシーチャリオットの強さに白旗を挙げた１頭でもあった
怪我でシーチャリオットが離脱し、カネヒキリの３着に入ったＪＤＤは大健闘と呼ばれるくらいでした


でも秋を迎える辺りから切れ味に磨きがかかり、サンタアニタトロフィーや東京記念での脚はまさに『鬼脚』的場文男のアクションがマッチし…いつからか黄金コンビと呼ばれました

そして２００６年…川崎で行われたＪＢＣで、並み居る中央馬を相手に３着これは価値があった
古馬になり、アジュディミツオーに継ぐ副将格となったボンネビルレコード金盃を手土産に中央へ移籍します
フリオーソの日記で書いたように…この移籍は南関にとっては痛手だったこの時期は大井から疎遠になっていた為に…中央での活躍は特に気にしていませんでしたが
調べれば芝のレースに出てたり…全国の競馬場に使われ、元来苦手な輸送の連続で結果が出ないボンちゃん
何より黄金コンビである的場文男が、中央に参戦しない為に騎乗機会が無いのが痛かった武豊や柴田善臣が騎乗しても…思うような結果は出なかった

久々のコンビ復活となったのは０７年の帝王賞ボンネビルレコードでしたが…それまでの戦績が冴えず穴馬扱い
ブルーコンコルドやサンライズバッカス、シーキングザダイヤと抜けた馬も居ないとは言え…並み居る中央勢厳しい戦いを覚悟した
レースは終始、的場さんが一発狙いの「的場ポジション」で待機真っ向勝負では敵わない…包まれたら終わりのリスクを招致で、大井の帝王はかつてのパートナーで「勝負」に出た

直線は早めに抜け出したブルーコンコルドとシーキングザダイヤサンライズバッカス…ボンちゃんは、ボンちゃんはどこだ

『武豊シーキングザダイヤ、外からブルーコンコルドが抜けて先頭……内からボンネが来たぞ〜』

多分、実況の及川アナも気付かなかったストライプ柄に身を包んだ的場文男
見事にインが開き…瞬く間にブルーコンコルドを抜き去る
大舞台お馴染みの肩ムチ連発……そしてゴール後に見せた的場さんのガッツポーズが良かったパフォーマンスと違う、心の底から溢れるような…格好良いモノでは無いが、嬉しさは伝わる

『サンライズ３番手…ブル…えっ…ボンネビルレコード優勝〜！』

数々の名実況で知られる及川アナがキョドる程…的場騎手のストライプ柄は見慣れない
里帰りでボンネビルレコードが勝った中央馬だけど、大井のファンは喜んだ
なんか昔の友達に久しぶりに会った感覚

そしてボンちゃん自身が嬉しそうに走っていた的場文男…ウイニングランをする姿が印象的でした

でも幸せな時間は続かない…ボンネビルレコードは中央馬的場騎手も簡単には乗れないんです…

続く