大井の名馬(キャニオンロマン〜人間に振り回された怪物〜)

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『優秀な成績を収めた馬は…種馬になるよね』
『はい』
『キミがもし種馬になって暮らしてさ…「また走ってくれないか？」って言われたらどう？』
『嫌ですよ〜悠々自適に暮らしたいです』

『…現役復帰を２度繰返した悲運な名馬が居るんだ』



大井競馬場に吉井竜一とゆう騎手がいる
騎手会会長に属す大井競馬場のリーダーで、お世辞にも一流とは言えないが…前半戦を中心に穴を開けるいぶし銀
見た目も好青年で、タラコ唇と鼻が大きくなければミカ様を脅かしたか

そんな吉井のパートナーと言えば…近年ではA３のナッシュが有名『年に一度のナッシュ』と呼ばれるムラ馬□隠れた人気モノ

ただ吉井本人が言うように自分も、吉井の最高の相棒は、キャニオンロマンに他ならない
９７年の羽田盃を制した素質馬で、前年ナイキジャガーが三冠の夢を絶たれただけに期待も高かった

そんな怪物に当時ぺーぺーのアンチャンだった吉井が抜擢された的場文男の独壇場だった時代…まさに運命的なモノ
京浜盃・黒潮盃を制して羽田盃へ黒潮盃の内容は…子供扱いで圧巻

ぺーぺーの吉井がヤネでも…馬がこれじゃ逆らえない□

『騎手が馬を勝たせる』より『馬が騎手を勝たせた』と言える羽田盃でした
２着が後の二冠馬サプライズパワーだから…無事なら三冠馬は確実であり、達成したなら吉井の騎手人生も変わったはず


しかし二冠目を狙う前に骨折…復帰は翌年の暮れまでの期間を要しましたキャニオンロマンを買ってました(笑)

しかしキャニオンロマンに復帰前の力はありませんでした……２度目の骨折から復帰した２０００年にようやく重賞を一つ勝ちますが、やはりファンとしては３年前のキャニオンロマンを想像してしまうワケで
そんな矢先…またも骨折が判明しついに引退残念だったのが復活勝利した時のヤネが竹見さんだった事鉄人に失礼を招致で、これは吉井を乗せてほしかった

中央では有り得ない話ですが、地方では引退した馬が再び復帰する事がありますキャニオンロマンは、ホッカイドウ競馬に復帰します
９歳になったとは言え、かつて南関の怪物だったキャニオンロマン□他地区の馬とは力が違い、復帰後もホッカイドウの重賞を手にします

しかし相変わらずの脚の弱さ…またも骨折し２度目の引退


ところが



『不振のホッカイドウ競馬の人気回復の為』

主催者側の案で…余生を送っていたキャニオンロマンは１３歳で２度目の復帰をしますこれには驚きと同時に怒りの気持ち
そりゃそうです…子供の頃応援してたキャニオンロマンが、なぜ２００６年に旭川で走らなきゃならん２度目の復帰…大仁田厚じゃあるまいし、引退と復帰を繰り返すなど間違っている

記事にもなり

『南関東の怪物…ホッカイドウで復帰』
『１３歳希望の星』

定年を過ぎたオジイチャンを、仕事が上手くいかないから…呼び出して働かせる絶対に間違ってる
結局目立った成績も挙げられずに１４歳でようやく引退…

大井競馬場で華々しく活躍したキャニオンロマンの晩年は、人間のエゴにより好き勝手に扱われる…可哀想過ぎるモノでした
吉井竜一の名を見る度にこの馬を思い出します


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『幸せに余生を送れる馬は数少ない…こんなケースもあるんだよ』
『ダンツフレームの事はよく知ってます…』
『プロレスラーじゃないのだから引退と復帰を繰返しちゃダメだよね』
『はぁ…無事な余生が過ごしたい』
『キミはこれからデビューするんだよ？』