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2013/01/25 20:57
大井の名馬(サンキューウィン〜地方馬の宿命〜)
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『ありゃ〜今日のメインのA2特別…ダービー馬が2頭出てるよ』
『ホントですね』
『A2にダービー馬なんて南関ならでは…普通さG1馬は引退するとどうなる?』
『ん〜〜種馬ですか』
『地方馬は血統に魅力が無いから…なかなか上手くいかないんだよね』
『あぁそうか』
『…それが…セン馬で…尚且つ早熟の馬だったら?』
『早くに見切られて引退ですかね』
『普通はね…でもね〜クラシックを制して、9歳まで走った馬が居るんだよ』
無事是名馬とゆう言葉がある□
特に血統的な背景が無い地方競馬は…言い方を変えれば『走れなくなるまで』ひたすら走る
余程の成績で無い限り種馬にもなれずに…
06年の羽田盃馬サンキューウィンとゆう馬がいる
羽田盃は中央で言う皐月賞…そのクラシック1冠目を制した馬が、昨年の1月に走ったラストランは船橋のA3特別だった事…
サンキューウィンはホッカイドウでデビュー連勝し、数戦を走った後に船橋に転入する…いつ去勢されたかは記憶に無いんですが、南関転入時にはセン馬だったはず
当時は快速を誇り羽田盃トライアルのクラウンカップを圧勝一躍混戦ムードのクラシック戦線に殴り込みます
迎えた羽田盃も圧倒的なスピードで飛ばし、最後まで脚色衰えず勝利サンキューウィンだけ
見た感じが、気分のままに飛ばすタイプだけに短距離型との見方が強かったんですが…続くダービーも外枠ながら最後まで粘り通して3着今後の躍進に期待が懸かりました
ところが状況は激変……この頃から去勢の効果なのか、悪い意味でおとなしくなってしまい
気分良く飛ばすは良いものの…秋以降は4コーナーで脚が止まってしまうのです春の好走はなんだったのか…掲示板すら載れないレースが続きました
08年にようやく一度、船橋の平場で5着
そして年を重ねるに連れダッシュ力も翳りを見せ…新聞欄には『後方まま』ばかりが並ぶように
能力が低下すれば、自然とクラスも降格するんですが…何せクラシックホース貯まった賞金のおかげで常にA1の相手と走らなくてはなりません…
ようやくA2(1600万)に降格した頃は、もはや追走すらままならない状態に皐月賞馬が1600万で惨敗など有り得ない事…しかし南関に属すサンキューウィンは、ひたすら出走手当の為に走ります
テレビ解説者もパドック解説では決まり文句
『……この馬は昔、羽田盃を勝った事もあるんですが』
『G1馬なんですよね〜』
『あの羽田盃は何年前でしたかね』
どんなに惨敗を続けようが…羽田盃馬の称号が重くのしかかる
いつしか羽田盃馬と知るファンすら減り『毎開催…ドンケを走る馬』とゆう勝手なイメージすら定着
時には重賞を、時には長距離を、更にはセンニ…出れるレース全てに出走し全てフタ桁着順C2やC3クラスのローテと変わりません
8歳になりA3にまで降格…混合戦では格下のB1(1000万)の馬とも戦い惨敗の日々
何の為に走っているのか…いやこれも地方馬の宿命
そして昨年の1月に、ひっそりと現役を退きました
結果としては早熟…羽田盃で完全燃焼し、残りの6年間を出走手当目的で走ったサンキューウィン
晩年のヨタヨタ歩くパドックは…哀愁を感じました無事に余生を過ごしてるらしく、安心してます
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『この馬の晩年は哀愁を感じたね〜』
『クラシックを勝っても…こんな末路があるなんて』
『走ってナンボ地方競馬だね』
『なんか…デビューしたくないなぁ(笑)』