大井の名馬(ナイキジャガー〜あの帝王賞は…〜)

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『シーチャリオット…トーシンブリザード…ナイキジャガー？』
『懐かしいなぁ子供の頃…必死に応援してた』
『好きだったんですか？』
『生涯で１番最初に好きになった馬だよ』
『へぇ〜』
『この馬も京浜盃馬だね〜』



アブクマポーロ
地方競馬をご存知無い方も必ずや知ってる馬
３２戦２３勝帝王賞・東京大賞典・川崎記念…タイトルを総ナメにし今よりダート重賞や交流戦が頻繁では無かった時代に君臨したダート王

この馬のベストレースは何か？狭い所を馬なりで抜け出した川崎記念か、並み居る中央馬を置き去りにした東京大賞典か…

実はアブクマポーロに衝撃を受けた当時１０歳の少年が居ました大井記念

しかし目当てはアブクマポーロではなく…


前年の羽田盃馬ナイキジャガー□チョーノ少年が初めて好きになった地方馬で…その怪物級の走りは三冠馬の期待は素より『先の夢』を感じさせるモノでした
惜しくもダービーを前に骨折長期休養を余儀無くされます

幻の三冠馬…そんな声も挙がる程の怪物。あの七不思議も、ナイキジャガーが無事ならあっけなく終わっていたでしょう


そんなナイキジャガーが復帰したのが、９７年のマイルグランプリ大井記念でした
親父がナイキジャガーのファンのオレに…デンマを見せます

『ほら…』
『ん？…ナイキジャガーだ！いつ走るの』
『今日だ行くか』
『行く行く〜〜』


心が躍る…そりゃそうだナイキジャガーと逢える…

『大井で１番強い馬はナイキジャガーだ！』

しかし新聞の印は見慣れぬ馬と二分していました
当時はBクラスから破竹の連勝でA１に上がった上がり馬のアブクマポーロでした

『知らないなぁ…テツノセンゴクオーのが強いんじゃないかな〜』

テツノセンゴクオーには▲印が並ぶ…この馬も重賞の常連でかなりの実力馬♪いわゆる３強の様相でした。しかしチョーノ少年は信じる…ナイキジャガーは強い


しかしなぜ１０歳で小学生のチョーノ少年が、当時は昼開催の大井競馬場に行ったのかが思い出せない(笑)親父が大井を理由に休むのは解るが
おそらく…仮病か□ただ生観戦したのは確かな記憶

話を戻して

いつものように予想屋の立ち台にまで行き

『ナイキジャガーが強いんだよ！オジサン！オジサン！』
『よ〜しオジサンもナイキジャガーから買うぞ』

こんな会話を「まつり」や「ビッグバン」のオヤジとしたか

しかし…


１０歳の少年は衝撃を受けます



目の前で突き放されるナイキジャガーナイキジャガーが子供扱いされた
あげくテツノセンゴクオーにまで差される

その遥か前を走る石崎隆之を乗せて走る馬…アブクマポーロ□

いつもは石崎・的場ご両人を平等に応援していたチョーノ少年…この時ばかりは声が出なかった

『負けた…ナイキジャガー…』

骨折から復帰２戦目…今考えれば当然ですが、当時のオレにはナイキジャガーが負けた衝撃と、ナイキジャガーより強い馬が居たとゆう驚きしかありませんでした

その後ナイキジャガーは再び脚部不安で引退マイルグランプリを制したのは当時内田が乗ったコンサートボーイでナイキジャガーを負かした２頭が、あの９７年の帝王賞でワンツーする訳です

結果的にアブクマポーロの出世レースとなった大井記念
映像が観れないのは残念ですが…鮮明に頭に残っています


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『ナイキジャガーかぁ〜』
『きっと無事なら大変な馬になってたはずさ』
『でもナイキジャガーが居たら…コンサートボーイの帝王賞も無かったですよね』

『そう！当然、的場騎手はナイキジャガーに乗ったはずだからね〜』
『大井記念で勝たなかったらアブクマポーロも出れなかった…』

『１番最初に好きになった馬が…自分のベストレースの影の立役者になったんだよ』