走れ！優駿学園３２(余りにも地味な新馬)

久々に新馬が入学した

□ □□□

『んん……』
『……』
『あのぅ…』






『知らん！！誰なんだ貴様』
『エリンコートと言います…』
『んん…バター炒めにすると美味しいょ□』
『…校長…ツッコミが必要ですか？』
『んん…』

『それはエリンギです』
『んん…今どき誰も笑わんょ…』

『一応オークスを勝ってまして…』
『この戦歴はなんだ？…まがいなりにも貴様はG1馬だろが』
『オークス勝ったら…気が抜けて…』

『んん…ファンの為…最後まで必死に走る事が大事なんじゃ□』
『まったくですな…最近の馬は…すぐにラクをしたがる！』
『んん…G1を勝てば…気が抜けるのも仕方ない』
『どっちなんですかぁ！！！』
『んん…耳が壊れるわ…キミは怒鳴る事しか能が無いのかね□』

『是非…優駿学園に入りたくて』
『ブレットの中…限られた優駿しか入学出来ないこの学校…ふん貴様のような生半可なG1馬が…』

『んん良かろう□入学を認める』
『ありがとうございます！』
『オークス馬の代わりはいくらでも居ますぞ』
『んん…若い芽を潰すでない…過去の栄光にすがるな…ハゲ』
『……老いぼれめ…』


□

『うわぁ…アパパネも居る凄いクラスに入っちゃったよ…』

トントン

『はい？』
『エリンコートちゃん』
『あっサンテミリオン』
『入学したんだぁ〜よろしくね』
『うんなんか凄いメンバーだねこのクラス』
『だよね…私も最初は浮いてたけどアパパネが思い出してくれてさ』
『思い出してくれた？』
『同着だったのに…存在すら忘れられてたんだよ(笑)』

『うわ〜世紀の同着だったのにね』
『エリンコートは堂々とオークス勝ったじゃない』

『見てよこれ…』
『うひゃ〜あれから一度も馬券に絡んでないの？てか…ほぼフタ桁じゃん』
『…たいして変わらないじゃないのよミリオンも』
『……悪かったわね』

『でもさホエールも最近…私路線に入ったみたいよ』
『あっそうなんだ気の毒ね…』

□

『あ〜〜らエリンコートじゃないのさ〜』
『タランチュラ』
『アヴェンチュラよ何しに来たのよ』

『入学したのよ私もG1馬だからさ』
『ふん…オークスだけじゃん裏口入学じゃないの〜？』
『フランス牝にボコられた…情けないアンタに言われたくないわね』
『アンタなんかオークスだけが取り柄じゃないのよ』
『タランチュラこそ秋華賞だけでしょ』
『アヴェンチュラよ』


『まぁまぁ』



□







『えっ……誰？』

『……ローブデコルテだけど』
『知らない』
『オークス勝ったのよ』
『知らない』
『タランチュラは？』
『知らないわ…ちなみにアヴェンチュラね』






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『うわぁぁぁ〜〜〜んグレてやる〜〜〜』

『私らより影が薄いオークス馬がいたわね』

エリンコート入学おめでとう