走れ優駿学園５１(俺らは跳び職)

馬の世界様々な職業がある


□□

『なぁ…俺ら障害馬ってのは需要が無いよな』
『んなこたぁねーやゴーカイなんかお前〜種馬で活躍してんべ』
『活躍って子供も障害じゃんか』
『良いんだ！俺らは平地でタラタラ走ってるお偉いさんとは違うんだ骨身削って戦ったんだからよ』
『そんなもんかねぇ〜』
『ほれ朝礼遅れるど！』


□

『みんなおはようさん』

おはようございます！

『今日も…精一杯働いて良い汗を流そう！１頭１頭がやりがいのある仕事をするんだ』

『……』

『バシケーン』
『へぃ』
『新入りのくせに居眠りとは大したタマだな罰としてバンケット３０回！』

『ほーら怒られた』
『はい踏みきって〜ジャンップ〜！』
『マジすかぁ…』


『今日の仕事は学校だ優駿学園の体育館が古くなってるらしいからな』
『親方…それは我々の仕事ですかい？』
『細かぇ事は良いんだ体力使う仕事は俺らが引き受ける』

そして




『ここが優駿学園かぁ〜障害馬じゃなけりゃあそこに入れたのによ』
『そう暗くなるなよスピード』
『マーチスの親方がなんでこの仕事始めたか知ってるか？』
『いや』

３０年前


□

『ヒック…俺ら障害馬なんかよ…引退すりゃただの駄馬よ…ん？』


「とび職 社員募集中。体力のある方歓迎します」


『なにとび職だって！！跳ぶのは俺の得意分野じゃねーかこうなりゃ話は早ぇや！』



『マジかよ』
『鳶職を跳び職と勘違いしたんだよ…だけどヤル気はあったから今じゃ全国の跳び職の重鎮よ』

『じゃあ未だに跳び職だと？』
『だから荷物運びながら…』

『オメェらベチャクチャ喋ってねーで荷物を上に運ぶんだバカ野郎』
『へいへい…』
『しっかり跳べよ？俺らは跳び職だからな跳べ跳べ』


□□ ぴょんぴょん


『ポレールそんなジャンプじゃ転ぶぞ！』
『親方荷物が重いから…勘弁してください』
『しっかりと運べよ〜うるせぇんだからここの教頭わよ』

『誰がうるさいのかね！』
『あっ教頭先生まぁ見ててくださいや！パパッとやりますから』

『ふん！手抜きをしようものなら』
『滅相もありませんわウチらに任せてください』
『頼むぞ…』

『へい……チッ…先公てなぁどうも好かねぇ』
『親方〜』

バコッ

『痛ぇな！材料運びながら動き回るな』

『親方〜これはどこに』

バキッ

『痛ぇよ！今パラゴンに言った…』
『スンマセン』

ボコッ

『パラゴン！ここ曲がってんぞ』
『親方そこはまだ…』

バキバキバキバキ…

『ぎゃああああ〜〜〜』






□ □□□

『痛ぇ…スイマセン学園の皆さん…』
『ふん！貴様らはいつもこれだ』
『んん…まぁゆっくりやりなさい□体育館など…滅多に使わん』


『ったく親方自ら足場を崩すなんてな…向いてねーよ』
『まぁ親方のおかげで働けるんだから良しとしよーや』

『ほら…帰る時もジャンプを忘れんなよ…俺ら跳び職だ……痛ぇ』

頑張れ鳶……跳び職