1798件のひとこと日記があります。
2013/06/23 21:02
大井の名馬(コンサートボーイ〜南関の意地〜)
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『久しぶりですまないね〜』
『本当ですよみんな忘れてまっせ…』
『いよいよ帝王賞だね!』
『上半期最強馬決定戦!チョーノさん思い出の帝王賞は?』
『もう聞きあきたんじゃない?…まぁ話そうか』
地方中央交流が始まり、中央馬の強さに分が悪い地方勢帝王賞も例外ではなく…ライブリマウント・ホクトベガと□強力な中央馬を前に南関の祭典を奪われてしまう
そして97年…中央競馬と『交流G1』として正式に位置づけられた帝王賞□
中央からは、当時飛ぶ鳥を落とす勢いでかしわ記念をも制したバトルラインフェブラリーSを制したシンコウウインディ□が参戦
さらに大賞典の覇者キョウトシチー帝王賞馬ライブリマウント、一昨年大賞典2着のキソジゴールドと…まさに最強布陣
迎え撃つ南関勢、本来なら大将になるべくナイキジャガーが怪我で去りアマゾンオペラに翳りが見え始めた中…大井からは一昨年のクラシック全て2着をはじめ勝ち切れないながら安定味ある、無冠の帝王コンサートボーイ
船橋から条件戦〜前走の大井記念まで7連勝で臨むアブクマポーロ□が名乗りを挙げます
主戦の内田博幸が騎乗停止となり、大井のエースであった的場文男がコンサートボーイに騎乗する。南関代表に南関ツートップの騎手…まさに背水の陣
バトルラインには武豊、シンコウウインディには岡部幸雄と、まさしく正真正銘の『地方対中央』の図式
レースは好スタートから、コンサートボーイが先団に…追い込み届かずが続いたコンサートボーイを先行させる的場文男騎手得意の戦法
逃げたのはバトルラインで外からライブリマウント、的場ポジションにコンサートボーイ
アブクマポーロ石崎隆之はじっくり中団に構え、横にシンコウウインディ……胸熱
勝負所でライブリマウントが脱落し、バトルラインを目掛けてコンサートボーイがスパートアブクマポーロが上がって行く
状態イマイチか…シンコウウインディは動けずにもがく
直線は内バトルライン、真ん中コンサートボーイ、外アブクマポーロで叩き合い
この頃の武豊騎手は『大井に来る武はお客様』と酷評されるほど、成績が酷かったんですが…なんのなんの意地を見せた
しかしこちとら南関の祭典帝王賞
全身全霊とはこうゆう姿を言うのか言葉に出さずとも解る…
ゴール前でバトルラインが脱落…この時の心境を的場騎手はこう語りました
『なんとか武豊さんのバトルラインを負かしたかった…だから抜け出した時はやったと思ったけど、アブクマが見えた時は…「またやられんのか」と思ったよ』
またやられる
自身の完璧な騎乗を、いとも簡単に差し切る石崎隆之的場文男だから言える言葉…
しかしコンサートボーイは意地を見せた大井競馬場所属の馬としての意地か…中央に対する意地か…はたまたヤネの気持ちが伝わったのか
とにかくコンサートボーイがゴール前に首を前に突き出したのは事実アブクマポーロを抑え、交流G1として最初の帝王賞は大井のコンサートボーイと的場文男が射止める
『コンサートボーイとアブクマポーロ…南関のワンツーは飛び上がる程嬉しかった。強いバトルラインを負かしたのもあるけど…やっぱ南関のワンツーは嬉しかった』
その後コンサートボーイはアブクマポーロに1度も先着出来ずに去った帝王賞で見せた根性…永遠に色褪せないモノです
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『てっきりボンネビルレコードの年かと』
『自分の生涯1番のレースだよ…途中から観れなかったんだけど』
『えっ?』
『直線で親父が肩車をやめたんだ〓だから無心で的場さん石崎さんに声援を送ったよ』
『へぇ〜』
『中央対地方が1番盛り上がる…これが交流G1なんだけどね〜〜明日は優駿スプリントの全馬分析です』
『宣伝すか…』