お疲れ様 フジノウェーブ(切っても切れないパートナー)

ＪＢＣを制覇し名実共に日本を代表する名馬の仲間入りを果たしたフジノウェーブ
しかし連勝を続けていた頃から…主戦の御神本に変化が見られます
賞金面も恵まれない益田のリーディングから、地方最大手の大井競馬場の若きエースとして持て囃される日々

また言いたくは無いがあの容姿□絵に書いたような美少年で(さすがに今は老けて来た)周りが放っておくワケも無い…
徐々に『ノリだした』御神本は単独行動が目立ち始め、控え室からの無断外出夜遊びで謹慎

完全に大井の騎手仲間から浮いた存在になっていきます
しかし腕を買われて有力馬の騎乗は絶えず、天才特有の『アクの強さ』が重なり…良い意味でも皮肉の意味でも

『ミカ様』

の異名が定着



留めとなったのが自らの１０００勝セレモニーまでも中止に追い込む不祥事を起こす…
女性絡み大井競馬場から無くなります

ついには騎手名鑑からも名前が消える事態…


事実上、無期限の騎乗停止となった御神本が不在でもフジノウェーブは走り続けてました
柏木や戸崎が騎乗を努め、０９年の東京盃では的場文男も騎乗ＴＣＫの象徴を…まさに全員で支えるかのごとく
０８年のかしわ記念では３度目となるボンネビルレコードの勝利を引き立て役に

秋には東京盃を制し１年ぶりの交流重賞制覇
翌春の東京シティ盃は連覇□
短距離にフジノウェーブ・中長距離にフリオーソが居たこの時までが…「地方対中央」が成り立っていた最後の時代…


数度の不祥事を起こした御神本は大井どころか、騎乗すら出来ない日々高知競馬場で期間限定騎手として騎乗再開
華々しい日々から一転…
今考えればこれが良かったのかもしれない

「騎手として努力・丹念し、大井に帰りたい」

師匠でもある三坂調教師らの働きかけで、御神本は再び大井競馬場に帰って来る事が出来ました

表向きは歓迎の大井競馬場
しかし…この時のファンの反応は冷たかった
大井をあれだけコケにしたのだから仕方無い
騎手仲間や関係者からも冷遇されたのは見て取れ、最初は本当に乗り馬も酷かったです□

当然の事ながら馬の質が悪くても、自身の腕で徐々に成績を上げていく御神本
激高したとされるサブちゃんも時間をかけながらも徐々に乗り馬を預け始めます
そして年明けに、休養していたフジノウェーブが船橋記念で復帰ヤネには御神本が抜擢される

しかしながら明け９歳のフジノウェーブはかつてのような、時計勝負は不向きになっていましたウインターＳＰも４着…限界説が流れる

前任の東京シティ盃から昨年まで３連覇中の東京スプリング盃□ここでダメなら…

３度ファンファーレが鳴る珍事もありましたが、さすがに歴戦の古豪だけに関係なしフジノウェーブは斤量に泣く有力馬や、ケイアイゲンブ・ジーエスライカーら新鋭を一蹴１年ぶりの勝利を挙げます。
御神本にとっては本当に久々となるフジノウェーブとの勝利

この頃から２番３番が続かなくなるフジノウェーブロイヤルカップでは格下馬に競り負けるなど、サブちゃんからも弱気な発言が目立ち始めます。
芦毛だったフジノウェーブも気づけば真っ白に変化高橋華代子さんいわく『神様』と言うべき馬体
照明に当たると白い馬体が銀色に輝くハクホウクンを生で観ましたけど…芦毛も混じったフジノウェーブはまた違った美しさ
しかし美しい外観とは裏腹に…確実に衰えてゆく内面の部分

休養から帰ったフジノウェーブは、１０歳初戦の東京スプリング盃を迎えます
同じく現役を続けたあの馬と再会□

続く